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香港人女性が開業した日本風カフェ「BONE STUDIO」が人気に 静岡で焙煎した豆使う

香港でカフェをオープンしたBONIさん

香港でカフェをオープンしたBONIさん

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 香港のミッドレベルに今春オープンした「日本に強くインスピレーションを受けた」カフェ「BONE STUDIO(骨子裡)」(Shop 2B, G/F, 38 Bonham Road, Mid-Levels)が人気を集めている。

朝も太陽の光が差し込みシンプルながらも心地の良い店内

 創業した30代の女性BONIさんはデザインを学んだ後、「美心集團 (マキシム・グループ)」が展開する洋菓子店「アローム(東海堂)」で9年間、その後、オリンパス社のデザイン関連の部署でOLとして働きながら、「いつの日か起業し、自分が好きなデザインや好きなことをしたい」と独立を考えていたという。構想期間は約4年間。「大のコーヒー好きで、日本好きということもあり、ここにデザインを加えた3つをつなぎ合わせたらどう表現できるのか」と考えていたのが始まりだという。

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 西營盤の駅から5分ほどのミッドレベル地区を選んだのは、西区独特の雰囲気や、そこに流れる少しゆったりとした時間のほか、多くはないが適度にある緑に囲まれたエリアから林立するセントラルの高層ビル群を望めることから。このアングルで見る香港が好きで、約2年、周辺エリアを探していたところ、今年に入って今の場所に空きが出たと聞き、天井も高く、何より店先から見える大木が気に入ったという。「毎日ここでコーヒーを飲みながら過ごす時間が想像できたから」と場所を決めた一番の理由を明かす。同店はペットを連れて入ることもできるようにした。

 日本を強く意識したカフェとしながらも、店のコンセプトは中国語の店名にもなっている「骨子裡」に込めた。読み解くと「骨の中」を表すこの言葉は、骨は人間の身体の中で一番硬いもので、老若男女だけでなく人種や話す言葉は違っても、誰もが「骨」を体に持っていて、人間は本その骨のように硬い信念や真髄を持っていきるものだというメッセージがある。その骨の白さを店内の空間ともリンクさせている。

 店内は4人掛けのテーブルとベンチと席数を減らし、空間美を大切にした。混雑時にはディスプレーに使っている低いコンソールなどを椅子に使うこともできる。白とウオールナット色ですっきりと統一した店内はBONIさん手作りのミニチュアクレーを使ってデザインした人気メニューのアップルハニートーストのイヤリングや、店名の頭文字「B」とコーヒーカップのフォルムをデザインに取り入れたマグカップのほか、日本から取り寄せたコーヒー用のアイテム、京都の竹細工などの生活雑貨も取り扱っている。ほかにもBONIさんが自分で描いたイラスト入りのカレンダーやコースターも店内に飾る。

 BONIさんの訪日回数は優に10回を超え、大都市よりも地方都市や田舎が好きだという。日本旅行へ行く際には、入念に下調べをしたコーヒーショップを巡ったり現地で旬の味覚を楽しんだりする。1年ほど前に静岡県を旅行した際に、伊東で立ち寄ったコーヒーショップで、そこで働く焙煎(ばいせん)職人と親しくなり、その職人がひいたコーヒー豆が味わい深く印象的だったこともあり、この店から香港の店にコーヒーを入れたいと開店前に思い立った。ブラジル・タンザニア・インドなど豆を使い、日本で焙煎したものを香港へ輸入する。初めはグーグル翻訳を使いながらの日本語メール連絡も、職人の息子や友人のサポートを借りながら何とか日本から空輸してもらえるまでたどり着いた。「これも強い信念(骨の中)があるから。それにこうした優しい人との出会いが日本旅行の醍醐味(だいごみ)でもある」とうれしそうに話す。

 定番メニューは「ハンドドリップコーヒー」(50香港ドル)と静岡の茶葉を使った「静岡抹茶ラテ」(45ドル)。北海道産の小豆を使ったあずきトースト(45ドル)やコーヒーゼリー(50ドル)、日本産の卵を使って作った厚焼き卵サンド(30ドル)も人気だという。

 営業時間は8時~16時30分(土曜・日曜・祝日=10時~17時30分)。水曜・木曜定休。