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香港の駐在員コスト・住宅価格共に世界一に 3年連続で記録更新

依然として物価の高さが際立つ香港

依然として物価の高さが際立つ香港

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 アメリカの保険会社マーシュ・アンド・マクレナン傘下で組織や人事のマネジメント・コンサルティングを手掛けるマーサーが6月9日、駐在員の生活費を比較する調査「Cost of Living Ranking」2020年度版を発表し、香港が3年連続で世界一になったこと発表した。併せて、世界最大の事業用不動産サービスと投資企業の一つであるアメリカのCBREがこのほど個人住宅市場についてのリポートを発表し、香港の平均住宅価格も世界一高い都市であることも判明した。

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「Cost of Living Ranking」はマーサーがニューヨークをベースとして世界400都市以上で実施。そのうち209の都市で住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査、比較して算出したもの。マーサーでは今年3月までのデータを集計したとしているが、新型コロナウイルスの影響による大きな物価の変化は見られなかったとしている。

 香港は、香港ドルと米ドルがペッグしていることと生活費の上昇によってトップを維持したと分析。新型肺炎の影響で、掃除用具、家具、娯楽製品のほか、栄養というよりも、傷ついたり、落ち込んだりした時に心を癒やしたり落ち着かせてくれる「お袋の味」ともされる「Comfort Food」などの家庭料理の食材需要が増えた一方、世界トップクラスの価格である住宅価格に下降傾向が見られたが、それを差し引いても依然、生活費は高額であるとした。

 ちなみに日本の都市で見ると、東京、大阪、名古屋の3都市がランクイン。東京は昨年の2位から3位に、大阪も19位から22位にランクダウンした。一方で名古屋が33位から26位にアップしている。

 一方、CBREの住宅価格の調査は世界39都市を対象に実施。新型コロナウイルスの影響を判断するには時期尚早であるため、一定程度、考慮した形でリポートしたとしている。

 香港の平均住宅価格は前年比4.7%増の125万4,442米ドル(約1億3,500万円)で、2位のミュンヘンが同11%増の100万米ドル(約1億700万円)だった。ミュンヘンが前年より1割以上住宅価格が上がっても、香港はそれより25%も高いという圧倒的な価格差だった。3位はシンガポールが同2.5%増の91万5,601米ドル(約9,800万円)だった。平均のサイズは631平方フィートで、1平方メートル当たりの価格は1987米ドル(約21万3,000万円)となる。

 香港は逃亡犯条例改正案によるデモや新型コロナウイルスなどの影響で住宅供給量が減った結果、価格は前年より上がったと分析する。

 一方、香港の平均賃貸価格は前年比1.7%減の2,682米ドル(約28万8,000円)だった。ほぼ30万円という価格だが、今後の家賃相場は新型肺炎などの影響が表れて弱含みになるだろうと予測している。加えて香港の平均年収は6万1,022米ドル(約660万円)と算出した。

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