香港政府食物及衞生局(Food and Health Bereau)の陳肇始(Sophia Chan)局長は6 月16日、屋外など公共の場で9人以上の集まることを禁止する「限聚令」のルールを50人までとするなど、緩和措置を明らかにした。
20日現在、累計感染者数が1128人、死亡者は4人、回復者1074人となっている。香港では、沙田(Shatin)の瀝源邨(Lek Yuen Estate)にある祿泉樓で発生したクラスターが発生するなどの事例が時折発生するが、関係する住民を隔離するなど徹底的な対策を施すことで基本的に感染拡大を抑え込めている。
公共の場で9人以上の集まることを禁止する「限聚令」のルールは6月18日が期限だったが、51人以上に緩和した上で2週間延長して7月2日までとなった。各業態の運営ルールについてはこれまで以上に細かく規定する。
レストランは、同時に座れる人数は最大8人だったが撤廃して無制限とし、バー、パブは4人から8人となる。検温、食事以外のマスク着用、テーブル間隔を1.5メートル以上空けることは継続する。ナイトクラブは6月5日から営業再開となったが1席当たり最大で4人だったところが8人に緩和した一方、収容人数の50%までの入店についての変更はない。カラオケとパーティールームはナイトクラブと同じく6月5日に営業が復活したが、1部屋当たりの人数は最大8人から16人に緩和。マイクなどの器材やソファなど家具類は客が入れ替わるごとに消毒しなければならない規定は同じだ。
ゲームセンターでは、これまでゲームマシンの前に集まる人が9人を超えてはいけなかったが、最大8人が今回から最大16人に緩和した。スポーツジムではインストラクターと生徒、生徒と生徒の間の距離が1.5メートル離れなければならない規定に変わりはないが、1クラス当たりの人数は最大8人から16人まで増えた。ボーリング場やビリヤード場では1グループ当たり最大8人が16人まで認められるが、ベンチとレーンの間に仕切りを入れることを求めた。スケートリンクは1クラス当たり最大で8人だったが16人まで緩和されることになったが、リンクの収容人数の50%以下しか客を入場させることができない規定が加えられた。映画館は8席までしか座席を供給できなかったが、最大で16席まで可能となる。
検査体制に余裕が出ていることから、衛生署では民間の医療クリニックで、無料で感染しているかどうかの検査をできるサービス体制を整えたとした。疑問があればクリニックの医者と検査をするべきかの話し合いもできるとしている。また、感染リスクの高いところや香港内18区にある中医の診療所に検査キットを配布して、できるだけ早く感染者を見つけ出そうとしている。最近では、不特定多数の人と会う確率が高いバス会社の従業員や健康センターから9000体の検査キットが戻り、確認したところ全て陰性だったことも明らかにした。