学ぶ・知る

香港で「竹」がテーマのアートを展示 日本・台湾・香港の竹細工作家10人の作品を紹介

生活を豊かにするさまざまなアイテムに使われている竹の工芸品を紹介

生活を豊かにするさまざまなアイテムに使われている竹の工芸品を紹介

  • 168

  •  

 香港・中環のギャラリー「Crafts on Peel」(11 Peel Street, Central, Hong Kong)で現在、「竹」をテーマにした展示「IMAGINE THE ‘IM’POSSIBILITIES: BAMBOO」が行われている。

グランドフロアには伝統的な職人と現代アーティストが協力した作品の数々を展示

 強さとしなやかさを持つ竹は、香港名物である竹で組んだ足場や点心を蒸すかごが示す通り、香港人にとっても身近なもの。コンパクトなギャラリーだが、吹き抜けを使って空間を生かし、3階にわたって日本、台湾、香港の竹細工アーティスト10人の作品を展示している。先人の知恵も詰まった竹細工アートを、国境を越えたアーティストが紹介する機会となっている。

[広告]

 入り口に展示するパターン9種は波模様から六角などの格子柄、円を描くようなスタイルまで組み方によって伝統的にも現代的にも異なる印象を見せる。伝統的な手法と現代的な手法を使うアーティスト2人が完成させた、竹を使って作ったコンソールテーブル「PAVO(鳥南枝)」は会場の奥に展示されている。50~60年代の香港では、飲茶を楽しむ茶室に鳥かごを持って訪れるのが粋とされた。今では竹の鳥かごを見ることも少なくなったものの、この職人技を残そうと伝統工芸師の陳楽財さんは伝統的な鳥かごを作る過程でも、「修理の技に現代にも通用する万能なものがあり、それを残そうと考えた」という。鳥かごを作るには、竹とツゲやバラの木の形や色の組み合わせなど、複雑な工程がいくつもある。木も竹も時間がたつにつれて変化するものであることを意識し、6ミリの竹ひご96本を使い、のりや釘は一切使わずに仕上げている。

 日本の工芸師・西本有さんの作品も展示する。2007年から制作している「竹かごバック」もその一つ。1人で作る竹のバックは制作に10日間を要する作品で、持ち手の部分には皮革をアクセントに使い、使い続けること少しずつあめ色になる。使う人に素材が持つ耐久性に気付いてもらおうと、生涯メンテナンス保証や修復を提供している。美しい編み目の伝統的な盛りかご「鉄鉢盛りかご」は、竹ひごが何本も規則正しく編まれている。西本さんが香港の街に触発されて生み出した作品「編航城観」は、編み込む竹に金色のワイヤーを組み合わせることでビクトリアハーバーの水面に見立て、まっすぐ伸びる竹ひごは素直な香港人と、都市の中にあるさまざまな人とのつながりを表現したという。「クラフトは生活の一部となるもの。使う人の心に小さな一輪が咲くといいなと思ってかごを作っている」とコメントを寄せる。

 ほかにも、魚を捕るための仕掛けである筌(うけ)や帽子、茶筒などの歴史をたどる生活アイテムから、飲茶でも使う蒸かごを複数使い、薄く裂いた竹を曲げたり電流を通してつないだりして作ったインテリア照明まで、さまざまなアイテムを紹介している。

 「この展示は香港での伝統的な竹の職人技を追求し、伝統的な職人技と現代のライフスタイルを結び付けて再解釈しようとするもの。世代や文化を超えたコラボレーションのプラットフォームを提供できてうれしい」と同ギャラリーのクリエーティブダイレクター兼同展示のキュレーターを務めるペネロペルック(Penelope Luk)さんは話す。

 営業時間は11時~18時。日曜定休。12月31日まで。

Stay at Home