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「東方新地」「新假期」「新Monday」の3誌休刊へ 日本の観光情報も数多く発信

休刊が決まった「東方新地(Oriental Sunday)」と「新假期(Weekend Weekly)」

休刊が決まった「東方新地(Oriental Sunday)」と「新假期(Weekend Weekly)」

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 コングロマリット、英皇集団(Emperor Group)傘下の新傳媒集團(New Media Group)が発行する「東方新地(Oriental Sunday)」「新假期(Weekend Weekly)」「新Monday(New Monday)」の雑誌3媒体が12月31日で休刊することが明らかになった。

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 芸能ニュースを中心に扱う「東方新地」は名前の通り、元々は香港最大の発行部数を誇る「東方日報(Oriental Daily New)」などを手掛ける東方報業集團(Oriental Press Group)が発行していたが、2001年、新傳媒集團が発行を引き継いだ。週刊で香港のみならず日本、韓国の芸能界のニュースも網羅していた。「新假期」は、食と旅行をメーンに取り上げる雑誌で、中産階級の香港人が多く読んでいた。旅行関係では日本を多く取り上げ、毎週のように日本各地の風景が表紙を飾る。ウェブ版に移行した「飲食男女」「U Magazine」がライバル誌だった。「新Monday」は、パソコンやスマートフォンなどの電子製品、ファッション、漫画、ゲーム、エクササイズなどサブカルチャー的なものに強みがある媒体で、その特徴から若者や男性に多く読まれていた。以前はコスメティック、ファッション、美容などを扱う「more」も併せて、「東方新地(Oriental Sunday)」「新假期」と抱き合わせて販売していたが、昨年「more」がオンラインに移行。毎週木曜、18ドルで店頭販売していた。

 香港も日本と同様に昔から活字離れが叫ばれており、その上にネット社会が到来。「速い」がキーワードとなり、短くて簡単な文章が好まれるようになった。さらにスマートフォンが普及し、長文との親和性も悪いことも活字離れを加速させた。「飲食男女」がその流れを受けて紙媒体から2017年にウェブ版専業になった後、2019年からの逃亡犯条例改正案に反対するデモが発生。外出を控える人が増えたほか、2020年に入って新型肺炎の感染拡大で家に滞在する時間がさらに増えた。ネットやゲームに時間やお金を費やすものの雑誌を購入して経営を改善する事態にはならなかった。特に旅行に強みがある「新假期」は、新型コロナウイルスで世界が鎖国状態に突入したことで悪夢の時代を迎えた。香港は土地の特性上「国内旅行」はなく、旅行の全ては海外旅行になることから、世界各国の入国禁止措置は雑誌の存続断念の大きな要因となった。

 新傳媒集團が取引先に宛てた文書に休刊理由は述べられていないが、「デジタルに移行してより勢力的に情報発信をするとし、継続して商品のプロモーションを一緒に行っていき、広告やマーケティングは厳しい環境下ではあるが、より効果的なサービスを提供していく」と書かれている。

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