「ドン・キホーテ」の東南アジア仕様の業態「DON DON DONKI」の香港5号店「DON DON DONKI モントレープレイス店(Monterey Place Store)」が11月11日、將軍澳(Tseung Kwan O)(Shop Nos. 107-113, 115-122, 1/F, Monterey Place, No. 23 Tong Chun Street, Tseung Kwan O)に開業した。
香港郊外のタワーマンションの一角に出店した「DON DON DONKI」の外観
今回出店のエリアは、ここ10年でタワーマンションなども多く建設された新興住宅地で、人口が増加し若年層ファミリーも多い。飲食店やショッピングスポットでにぎわい注目を集めるエリアだが、駅直結のモールではなく、駅から徒歩約10分、海沿いの広さも取れる物件を次の勝負の場所に選んだ。
店内装飾は「ピクニック」をテーマに、地域住民の生活に密着した店舗を目指すため、ファミリー層を強く意識した品ぞろえにしている。店内にも天井近くにプラレールを巡らせて列車を走らせ、POPもつるしにぎやかな印象に仕上げた店内の総面積は16570平方フィートで、ワンフロア全体を使う。
香港内の他の店舗でも人気が高い生鮮食品や日用品に加え、店舗近隣に遊歩道や公園なども多いため、スポーツ用品やペット用品も豊富に取りそろえたた。バトミントンセットは79.9香港ドル、フィットネスチューブは109香港ドルで販売。店内の通路が他店よりやや広い理由も、子ども連れのファミリー層を意識してのことだという。
商品の仕入れについても、例えば日本で10月21日に全国発売された「うるるテクト 消毒できるハンドミルク」は1カ月足らずで香港での店頭販売を成立させる。リーゼのポイントカラー剤「1DAY HAIR MONSTER 」は同店で12月に発売する商品を先行で試せるようにもした。
青果物や肉、魚などの食品は香港の消費者が持つ「健康的で、しかも手に入りにくい特産品を手に入れたい」という要望に応えて、鹿児島県産ゆず豚を採用したり、熊本産のトマトも数ブランド取り入れるなど選択肢も増やす。入り口付近にはリンゴのコーナーを設け、糖度などを示したチャートを用意しながら、「土岐」「ぐんま名月」「北紅」「早生ふじ」「アルプス乙女」などを15ドルの統一価格で販売する。
同店の新しい試みとしては、毎日11時30分~14時限定で出来立ての塩麹漬A4和牛サイコロステーキ丼を1パック100ドルで販売する。このサイコロステーキ丼には日本産の玉ネギや米を使う。ほかにもオムカレー(55香港ドル)や日本産卵を使った「だし巻き卵」(35香港ドル)などを並べた。
菓子類も「バルクチョコレート」「うまい棒」など大袋入りのものを多く扱い、他店舗と同じようにキャッシャーまでの通路にも菓子類を取りやすく並べた。キャッシャーは40台、総菜やコンフェクショナリーコーナーはキャッシャーの外に設けることで回転率を高めようとする狙いがある。同店の一つの特徴ともなっている焼き芋に加え、ソフトクリームも初めて導入した。
香港店舗を運営する泛亜零售管理(香港)社の竹内三善董事&社長は「この地区は人口密度が高まり、多くの飲食店やブランドが新しいショッピングモールに徐々に参入してきている。日本の活気あるドンドンドンキの文化をこのエリアに紹介しながら、日本ブランドや日本製品の海外での消費を拡大し、認知度を高めていくことは、ビジネスを拡大する上で非常に有益な決断」と話す。
同社は国際競争力を持った新たな流通を目指し、香港での店舗開発を着実に進めるとともに、日本の農畜水産物などを手に取りやすい価格で積極的に展開することで、海外におけるジャパンブランド商品のさらなる認知向上と消費拡大を目指す。
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