屋台料理やB級グルメの店が多く集まる大埔(タイポー)エリアに、客家料理や郷土料理を提供するプライベートキッチン「暢和軒」(Tung Lok Bldg, 13-15 Kwong Fuk Lane, Tai Po)が9月上旬にソフトオープンした。
水墨画が飾られ、30人ほどが座れるこぢんまりとした同店を仕切るのは、雑誌や新聞のコラムにも執筆する客家人のシェフ呉永皓さん。客家料理もさることながら、広東料理や郷土料理などの中国料理をベースに洋風料理の作り方を取り入れた創作料理まで、100種類以上の料理を提供する。
料理は前菜からデザートまで9品のセットメニューで、一人当たり250香港ドル~。「暢和軒」の定番は、呉さん自慢の客家料理「八宝鴨」。骨抜きしたカモにもち米や栗など詰め込んで一晩漬けて蒸したこの料理は、大人数でシェアするのが「おすすめ」。ほかにも「鹵水龍●肝」は、重さ15キロ以上のハタ科の高級魚「龍●」の肝を、10種類以上の香料で作ったタレに漬けたもの。「龍●の数が年々少なくなっているから、契約の業者から直接仕入れすることでしか手に入らない。うちで使っている龍●は野生のものなので、肝は独特の香りを持ちつつ、フォアグラとは違って栄養価値も高くて健康的」と呉さんは語る。また、呉さん独自の調理法で改良した「花雕醉鶏」は、呉さんいわく「見かけによらない」一品だ。紹興酒で漬け込んだ鶏を蒸した後に、マイナス20度の飽和塩水に10分ほど漬け込むことにより、滑らかな食感を保ちつつ、紹興酒の香りが骨まで染み込むという。
完全予約制、予約は希望日の2日前まで。営業時間は11時~23時。火曜日休。予約は電話(TEL 9094-0584、TEL 9588-1140/中国語・英語)で受け付ける。
●は萬かんむりに足。