フランスの文化や芸術を多彩なプログラムで紹介する「法国五月藝術(Le French May)」が5月1日から2カ月間にわたり開催されることが発表された。新型コロナウイルスはまだ終息していないが、コロナ対策で1年以上の経験を積んだことで感染対策を施しながらの開催にこぎ着けた。
フランス版「ミニ・アートフェスティバル」のような同イベントは1993年に始まった。5月はフランス人にとって第2次世界大戦の戦勝記念日など重要な月であることから、この時期にフランスを香港市民に知ってもらおうと、在香港・マカオフランス総領事館が中心となって開催している。開催期間は例年同様、5月1日~6月30日の丸2カ月間で、香港内各所で開催する。
日本も秋に「日本秋祭」を開催するなど、香港では世界各国のさまざまなイベントが一年中行われているが、ル・フレンチ・メイは約30年という歴史の長さや芸術の国ということから、規模もアジア屈指を誇る。
スポンサーには、エルメス、BNPパリバ、香港最大手デベロッパーの長江和記実業(CK Hutchson Holdings)や信徳集団(Shun Tak Holdings)、香港管弦楽団(Hong Kong Philharmonic Orchestra)、「ウォール・ストリート・ジャーナル」「フィガロ」などのメディアのほか、日本の化粧品ブランド「ファンケル」も名を連ねる。
演目数は新型コロナウイルスの感染拡大前は100~150程度のプログラムがあったが今回は約80演目を開催。2020年はいくつものプログラムが中止になったことを考えると、これだけの演目数を確保したのは、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)と新型コロナウイルスという2つの感染症の経験から得た知見を活かしていると言える。9月30日までは事実上「鎖国」政策を取っていることから、今年のプログラムはフランスとの関係の深い香港人アーティストが中心となり展開する。
プログラムは「パフォーマンス」「エキシビション」「映画」「美食と特別イベント」「教育とアウトリーチ」の5つのカテゴリーに分かれる。パフィーマンスの一つ「超自然之戀(Larger Than Life)」は、中年を迎えた40代の男性にその親友が美しい容貌を持つロボットをプレゼント。ロボットながら男性は真剣に恋をしてしまう…という物語だ。
エキシビション部門では、尖沙咀のショッピングモールK11Museaで「微觀巨世:藝術家駐場計劃(Micromegas Screening)」と題し、フランスの画家の絵を展示する。映画では「美女と野獣」など10以上のファンタジー映画を上映し、ハリウッドとは一味違うフランスのファンタジー観が楽しめるようにする。
美食と特別イベントでは「法國五月美食薈(French Gourmay)」と題して、フランス料理を食べたり、ワインを味わったり、ワークショップでフランス料理を学んだりするなどの多彩なプログラムを用意。
「教育とアウトリーチ」では香港小交響楽団(Hong Kong Sinfonietta)のチェロ奏者であるローラン・ぺレン(Laurent Perrin)さんがフェイスブックを通じて交流プログラムを行う予定だ。
チケットはプログラムごとに設定されており、4~6枚まとめて買えば5%引き、7枚以上であれば10%引きなどの割引価格も設定する。今年も無料のイベントも多いが、防疫の関係から事前に登記する必要がある。チケットはURBTIX、英皇戲院(Emperor Cinemas)百老匯戲院(Broadway Circuit)で取り扱う。