香港政府は5月13日、新型コロナウイルスの防疫対策について、現在行っている防疫措置を2週間(5月13日~26日)にすると発表した。
香港は15日現在、累計感染者数が11,819人、死亡者は210人、回復者11,516人、新規感染者はいない。一方、ワクチン接種者については、1回目が115万3953人、2回目の摂取を終えた人が77万2213人となっている。公衆での集まりを制限する「限聚令」は最大4人、公共の場や公共交通機関でのマスク着用義務、飲食店や関連施設での検温、消毒、食事以外でのマスクの着用義務、「安心出行(LeaveHomeSafe)」のQRコードを店舗入り口や目立つ位置への設置と利用客はQRコードのスキャンまたは個人情報の提供についての変更はない。
スポーツ施設、フィットネスジム、美容院・マッサージ店 、娯楽施設(劇場、テーマパーク、博物館、展覧会場、映画館など)、アミューズメント施設(ビリヤード場ボーリング場、アイススケートリンク)、ゲームセンター、ホテル、スイミングプールとビーチは、それぞれに指示された条件付きで営業が認められる。一方、バー、ナイトクラブ、サウナ、パーティールーム、麻雀店、カラオケ店、婚礼、会議、団体旅行は従業員と顧客が最低ワクチンを1回接種していることなどを条件に営業再開できる。
レストランで、A類は、店内飲食は18時までで、収容人数の50%。1卓当たり2人までで、宴会の上限は20人。B類は、従業員全員は14日に1回PCR検査を受け、全顧客が「安心出行」のアプリまたは安心出行の代わりに店が用意した紙に個人情報の記入する「寫紙仔」を利用。店内飲食は22時までで、収容人数の50%、1卓当たり最大で4人、宴会の上限は20人、店内飲食を午前0時まで可能となる。C類は、従業員全員が1回目のワクチンを接種し、全利用客が「安心出行」の使用が必須な一方、「寫紙仔」は認めない。店内飲食を午前零時までで、収容人数の50%、1卓当たり最大6人。店側がで任意に設置した「特定範圍C区(Designated zone C)」内で営業可能。宴会の人数は最大で20人となっている。D類は、従業員全員がワクチンの2回目を接種し、かつ14日間経過し全ての客も1回目の接種を終えている。全顧客が「安心出行」を利用し「寫紙仔」の使用は不可。店内飲食は午前2時までで、収容人数の75%、1卓当たり8人、宴会は100人まで「特定範圍D区(Designated zone D)」内で可能。
香港政府は5月12日、ワクチンバブルと絡める形で隔離緩和を行い始めたが、香港外から入境する際に認めるワクチンを発表した。アメリカのファイザーとドイツのビオンテックが共同開発し上海の復星医薬(Fosun Pharma)が香港などでの販売権を持つ「復必泰(Comirnaty)」と北京に本社を置く科興控股生物技術(Sinovac Biotech)の「克爾来福(CoronaVac)」という香港で接種が行われているワクチンは当然認められた。
ほかには、イギリスのアストラゼネカの「Vaxzevria」(接種2回)、インド血清研究所がアストラゼネカから許可を得て「Covishield」の名で製造しているワクチン(2回)、アメリカのモデルナの「Moderna COVID-19 Vaccine」(2回)、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン傘下でベルギーのヤンセンファーマの「Janssen COVID-19 Vaccine」(1回)、安徽智飛龍科馬生物製薬の「智克威得」(3回)、康希諾生物(CanSino Biologics)の「克威莎」(1回)、国薬集団(Sinopharm)の関連企業の中国生物北京生物製品研究所による「衆康可維」(2回)と武漢生物製品研究所が製造する「衆康可維」(2回)と10のワクチンが認められた。これらを接種していれば、香港に入境するときに政府指定ホテルでの強制隔離が短縮される。
新型コロナウイルスの影響で長い間営業ができず、経営に苦しむ大手カラオケチェーンNewayの関連会社「Neway Music」が、債権者でカラオケ楽曲の著作権管理会社の香港●拉歌曲版權聯盟(HKKLA)から会社の清算を申し立てられていたことが明らかになった。
以前からNeway側は著作権料について不満があり、HKKLAに対して裁判を起こしている最中だった。Newayの従業員数は500人で、香港で14店舗を展開し、長い間、市民に親しまれてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で香港政府はカラオケ店に対して3度にわたる一時休業を命令。4月29日から営業を再開しているが、再開には従業員と顧客が最低ワクチンを1回接種、収容人数の50%までなどの条件がつけられているほか、多額の家賃を滞納し、4月の給与は未払いとなるなど厳しい経営状況となっている。7月28日にヒアリングが行われるが、今後の動向が注目される。
●=上かんむりに下