林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官、食物及衞生局の陳肇始(Sofia Chan)局長らは6月21日、合同で記者会見を行い、新しい水際対策ついて発表した。関心の高い政府指定ホテルでの強制隔離については、現在、日本が属しているグループBに関してはワクチン接種2回完了、抗体保有などを対象に隔離期間が7日に短縮されることになった。
香港は22日現在、累計感染者数が11,897人、死亡者は210人、新規感染者はすべて輸入症例で7人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が1,998,678人(29.4%)、2回目も終えた人は1,308,834人(19.2%)となっている。
「A1組(Group A1)」のブラジル、インド、ネパール、パキスタン、フィリピン、南アフリカの6カ国と「A2組(Group A2)」であるアイルランドとインドネシアは、従来の防疫方法と変わりはない。
日本、イタリア、カザフスタン、ケニア、マレーシア、オランダ、ルーマニア、ロシア、シンガポール、スイス、タイ、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、イギリス、アメリカ、ベトナム、コロンビア、韓国に加え、6月21日からはアルゼンチン、バングラディシュ、ベルギー、カンボジア、カナダ、エクアドル、エジプト、エチオピア、フランス、ドイツが新たに組み入れられた「B組(Group B)」とA1、A2、B、Dを除く国が属する「C組(Group C)」と台湾は、次の3つの条件を満たせば、政府指定ホテルでの強制隔離は7日間で、その間のPCR検査は3日目、5日目の計2回。隔離終了から1週間は自主健康管理機関となり、さらに12日目、16日目、19日目にも強制PCR検査を受けるだけで済むことになる。
1つ目の条件はワクチンの接種が完了し14日が経過していること。接収完了とは、ワクチンによって1~3回と接種回数が分かれる。2つ目は香港国際空港でのPCR検査が陰性であること。3つ目は香港政府指定医療機関(リストは後日、公表)での血清による抗体検査の保有証明(3カ月以内のもの)だ。
もし、ワクチン接種を完了していなければ21日間の強制隔離で、その間、3、7、12、19日目に計4回のPCR検査となる。ワクチン接種を完了したものの、抗体検査をしていない、または抗体検査で陰性だった場合は14日間の強制隔離となり、その間に3、8、12日目に計3回のPCR検査。隔離終了後7日間は自主健康管理期間で16日目と19日目にもPCR検査を行う。
オーストラリアとニュージーランドが入る「D組(Group D)」と中国本土・マカオについては、ワクチン接種完了者は、政府指定ホテルでまたは自宅(中国本土・マカオのみ)は1週間で、3日目、5日目の2回のPCR検査となる。隔離終了後の7日間は自主健康管理期間で12日目にPCR検査をしなればならない。香港政府はいかなる人も最低7日の強制隔離は必要と考えており、D組は最初から7日の強制隔離であることから抗体検査は必要ないとした。
一方、ワクチン接種を終えていない人は、政府指定ホテルか自宅(同)での14日間強制隔離で、3、8、12日目に計3回のPCR検査。隔離終了後7日間は自主健康管理期間で16日目と19日目にもPCR検査を行う。
まずは、香港居民を対象に6月30日から実施。非香港居民も7月中にも始めたい考えで、ついに香港居民以外による来港が実現することになる。非香港居民とは観光客だけなのか、短期ビザも対象になるのかは分かっていない。抗体検査の証明をいかにするのかという問題があるが、その詳細については現在研究中で、後日、発表するとした。もし香港国際空港で抗体検査を実施する場合は採血による抗体検査も考慮しているという。
この政策については既に一部専門家から「漏れが出る」との懸念が出ているが、このまま推進されれば、香港では最短7日、日本で14日の自主隔離となり、往復すれば合計21日間の隔離となる。現在は最長で35日間であることを考慮すれば大幅に短縮され、少なくともビジネスでの往来はしやすくなったと言えそうだ。