香港政府発展局は9月25日、炮台山(フォートレスヒル)のハーバーフロントに位置する公共広場「東岸公園主題區(第一期)」を正式に一般開放した。
約9800平方メートルの面積を持つ同エリア(第1期)は屈臣道の西側に位置し、地下鉄MTR炮台山駅から油街や電気道を通って徒歩約7分の場所にある。ここはかつて、中環と灣仔エリアを結ぶバイパスプロジェクト(銅鑼湾プロジェクト)の作業エリアだった。ハーバーフロントを段階的に開発するという原則に基づき、高速道路局は、隣接する銅鑼湾プロジェクトの残りの作業がまだ進行中だったにもかかわらず、敷地の一部を公共用に開放することを進めた。今回開放したエリアはハーバーフロント強化のための65億香港ドルの資金を投資する13の工事プロジェクトの一つでもある。ビクトリア・ハーバーに沿って約360メートルのプロムナードが生まれた。
エリアの入り口付近は、銅鑼湾のフライオーバー(立体交差点)の下にあり、建築家は「Windows」と名付けたデザインコンセプトを採用。さまざまなサイズの窓枠を手すりや屋外設置物、低い縁石のデザインに取り入れ、「まるで窓から眺めているかのような独特の景観を作り出した」という。芝生の広場やベンチ、シェルターなども設け、公共の場として利用しやすくした。併せてビクトリア・ハーバーの絶景を楽しみながら子どもたちが自由に遊べるよう、バランスバイクやキックボードに乗る子どものためのコースを地面に描き、滑り台や安全用のフロアマットを導入するなどの工夫を凝らす。ペットフレンドリーな場所としても利用してもらえるようにした。
同施設の大きな特徴は、ビクトリア・ハーバー内で公式に設置された最初の防波堤があること。この防波堤の長さは約100メートルで、ビクトリア・ハーバーの内側から香港島と九龍半島の両岸の海岸線を眺めることができ、これまでにない新しい角度からの楽しみを提供する。防波堤の先端からは、ビクトリア・ハーバーのほぼ360度のパノラマビューを楽しむことができ、防波堤の上はハーバービューと調和するように設計されたオブジェ「CWB East Vent Shaft」が象徴的な存在感を放つ。
ビクトリア・ハーバーをテーマにデザインされた初の大規模なワードアート作品も境内に展示した。昨年7月~9月に開催した「ビクトリア・ハーバー・ワード・アート・コンペティション」の受賞作品であるアーノルド・ウォン(黄●暉)さんとシャーメイン・リン(林熹敏)さんがデザインした「The Beacon of Hong Kong」を敷地内に展示する。カラフルなフォントと香港の各地区の名前を表す漢字、メッシュのデザインによって、ビクトリア・ハーバーの活気ある生活を表現したものだという。個々の文字の中は人が入れるようにデザインすることで、人間もアート作品の一部になることができ、撮影スポットとしても映える設計が特徴。
同施設の残りの部分の設計作業は既に進行中で、2024年から段階的に公開される予定だが、「東區走廊下之行人板道」プロジェクトと連動している。
9月23日夜に行われた開所式で、マイケル・ウォン(黄偉綸)発展局局長は「漸進的アプローチにより、新たなプロムナード用地が開設されたことを喜ばしく思う」とあいさつした。さらに、「ハーバーフロントのさまざまな大規模工事がまだ進行中である一方で、政府は段階的アプローチのビジョンを推進し、より多くのハーバーフロントスペースを早期に一般の人々に楽しんでもらえるようにしていきたい」と説明し、「2021年末までに、ピアサイド敷地内(第2期)、ウオータースポーツ・レクリエーションエリア(第2期)、台風シェルター(避風塘)エリアがオープンし、ビクトリア・ハーバーに沿った既存の公共プロムナードをさらに25キロに延長していきたい」と具体的な計画を述べた。
24時間開放。
●=さんずいに夭、下に金。