「ドン・キホーテ」の東南アジア仕様の業態「Don Don Donki」は、同社初となる回転ずし店「鮮選壽司 海之戀店」(2/F, OP Mall, 100 Tai Ho Road, Tsuen Wan, New Territories, Hong Kong)を10月29日、MTR●湾西(Tsuen Wan West)駅上にあるショッピングモール「海之恋」(OP Mall Store)にオープンする。
香港市場は現在8店舗にまで拡大してきたが、7月にオープンした最大面積の屯門店の売り上げも好調に推移する中、次は「回転ずし」という新業態を香港市場に仕掛ける。OPモール店の増床に合わせ、すし店のスペースも確保した。380平方メートルに181席を配置する。
香港にすし業態を出店することを決めた理由について、香港店を運営する泛亜零售管理(香港)(Pan Pacific Retail Management(Hong Kong))社の竹内三善董事長兼社長は「香港はいろいろなところですしを食べられるが、まだまだリーズナブルにおいしいすしを食べられる店が少ない」と話し、「世界初の店舗を売り上げが最も高い香港で勝負を決めた」と話す。日本では「激安」のイメージが強いドンキだが、香港では先の屯門店では通路幅を広くし、店内放送もてこ入れするなど、「上質な日本」を打ち出す戦略に舵を切る。香港人の間でも「安い」というイメージではなく「日本が感じられる。楽しい場所」という感覚が浸透してきている。
すしネタは通常の回転ずしのようにサイドメニューを充実させるのではなく、90種類以上の旬のすしネタで勝負する。マグロは赤身と脂のバランスが取れた各国の高級マグロを仕入れる予定。同店の小売りの中でも売り上げの高いマグロ、サーモン、ホタテなども1つのメニューだけでなく、例えばトロサーモンについても入荷の状況によるものの、「さらに甘みのある特別なサーモンも用意したい」という。サーモンは、生で仕入れることで「うま味」を強く残し、ホタテはの大粒の帆立貝を生や炙(あぶ)りで提供する。1皿12香港ドルに設定する予定。
米にもこだわり、艶、粘り、甘みがある品種として「北海道産ななつぼし」を採用した。日本から玄米の状態で持ち込み、香港で精米する体制も整えた。すし酢もこだわり、純米大吟醸酢と2種類の赤酢のをブレンドした酢を作り、すしと相性の良さを追求する。北海道産の利尻昆布と鹿児島県産のかつお節で取っただしも使用する。
ドンキならではのアミューズメント要素も入れる。魚のディスプレーに加え、カットをショーで見せるなど、さまざまな店内イベントを毎日開催し店内を盛り上げる。「日本の魚河岸」をテーマにした音と光の演出で、エンターテインメント性のあるにぎやかな空間を演出したいという。日本人の職人も据える。
竹内社長は「1店舗目の様子を見てからにはなるが、香港でも複数店舗の出店も検討し、ゆくゆくはアジアの他の地域にも広げていきたい。そのためのスタートが一番業績の良い香港」と意気込む。
営業時間は10時~23時。
●=草かんむりに全