香港政府観光局（HKTB）は11月7日、例年のニューイヤー・カウントダウン・イベントを見直し、史上初のカウントダウン・コンサートを開催すると発表した。

　今月12日に美術館「M＋」が開業したことでも話題の西九龍文化区（WKCD）のアートパークを会場に、特設ステージを設けて野外コンサート形式で開催する。併せてオンラインとテレビでライブストリーミングを行い、香港の活気ある興奮を世界に発信する計画だ。「M＋」の巨大なファサードにカウントダウンの時計が表示され、香港市民が一斉に2022年を迎える演出も予定する。

　HKTBエグゼクティブ・ディレクターの程鼎一（デイン・チェン）さんは、「我々は香港の露出とポジティブな観光イメージを維持し続けてきた。新年を迎えるに当たり、香港のエキサイティングでエネルギッシュな精神を世界に示すために、世界的なカウントダウンコンサートを開催できると確信している」と意気込む。

　同コンサートには、括江海迦（AGA）さん、許廷鏗さん、李幸倪（Gin Lee）さん、MIRRORなどの若手人気スターやグループなどの出演者が登場するのに加え、香港フィルハーモニー管弦楽団もステージに花を添える。

　MIRRORは地上波ViuTVが生み出した12人のアイドルグループで、今年の香港の話題はMIRROR一色だったともいえる。同局の番組「Good Night Show 全民造星」でいろいろな挑戦を追い、最終的に12人が選ばれた。香港初の大型男性アイドルグループは香港の音楽界に旋風を巻き起こした。2019年～2020年は、香港の民主化運動や新型コロナウイルス影響で活動にも大きな制限が掛かり困難な時期もあったが、11月からViuTVで放送されたドラマ「男排女將」を経て、今年1月に開催された香港の音楽賞「2020年度叱咤樂壇流行榜頒獎典禮」で6つ大賞を取ったことで、ファンが大きく拡大。その後メンバーによる日本のドラマ「おっさんずラブ」の香港版リメーク版「大叔的愛」などへの出演もあり、人気も急上昇。香港内では、駅や屋外看板に常にミラーの広告が続く状態が続くが、admanGoのデータによると、インスタグラムの広告投下したブランド上位50社のうちに、ミラーまたエラー（ミラーの兄弟グループ）を起用する企業は27社。サムスンやカルバンクラインなどの海外ブランドもミラーを起用するなど、彼らは紛れもなく2021年の「広告王」と現在香港一番影響力があるアイドルグループとして確固たる位置を確立した。

　同局では3000枚のチケットを一般向けに用意し、抽選で1500組を無料で招待する。希望者は15日～24日の間に、イベント専用のサイトから登録することで応募できる。

　コンサートに参加する登録者の当選資格は18歳以上であること。12月13日までに香港内でのワクチン接種が必要で、同伴者も12歳～17歳の場合、最低1回の接種が必要とされる。全ての参加者は、入場時に「Leave Home Safe」アプリで訪問を記録する必要がある。

　転売を避けるため実名制の抽選とし、当選者とその同伴者を含む全ての参加者は、氏名とIDカードの番号が必要になり、チケット受け取りの際、またコンサート会場入場時に必要書類を提示する必要がある。チケットの譲渡は認められない。登録者、同伴者共に重複しての申し込みもできない。

　当選者には、12月3日～5日の間にSMSで通知が届く。当選者と同伴者は12月13日までに、指定された場所で一緒にチケットの受け取りが必要で、チケット受け取りの際にSMS通知、HKIDカード、予防接種記録の提示が求められる。名前の変更、チケットの譲渡、第三者によるチケット引き取りは受け付けない。

　コンサートは12月31日22時にスタートし、年越しのカウントダウンを迎える。