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香港スタジアム、座席数を9000人に大幅縮小へ 背景に啓徳に新スタジアム

大規模な座席削減が決まった香港スタジアム

大規模な座席削減が決まった香港スタジアム

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 香港政府は銅鑼湾(Causeway Bay)南側にある香港のスポーツの聖地である香港大球場(Hong Kong Studium)について、陸上トラックを造成した上で、規模を座席数4万人から約8割減の9000人に縮小する方針を固めた。これは2023年下半期に啓徳(Kai Tak)にできる新スタジアムの完成にも絡んだ措置となる。

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 香港スタジアムは1952年、収容人数2万8000人のスタジアムとして完成。陸上トラックを備えており、当時は学校の運動会などにも使われていた。1994年3月、香港賽馬會(HKJC)が8億5,000万香港ドルを拠出する形で現在の座席数4万人のスタジアムがオープンした。拡大に当たり陸上トラックは廃止されていた。7人制ラグビーの香港セブンズ、サッカーの香港代表の試合など国際的な試合はここで行われている。特に香港セブンズ開催時の南スタンドは若者が楽しむ「コスプレ」のゾーンとなり、これがラグビーファンの間でも有名な風物詩になっていた。

 香港政府は、旧啓徳空港跡地の再開発で収容人数5万人の新スタジアムを2023年下半期の完成を目指して建設を進めており、2つの巨大スタジアムは必要ないことから香港スタジアムの再利用方法が検討されていた。

 香港スタジアムではスポーツのほかにもコンサートなどを開催する場合もあり、近隣住民への騒音が問題となっていたため、座席数の削減は避けられない状況だった。香港政府は調査を重ね、9000席に削減し、防音壁を作れば環境保護署(Environmental Protection Department)が定めた騒音基準を満たすとした。

 観客席を小さくすることからスペースに余裕ができたため、400メートルの陸上トラックを復活させるほか、多目的会議室、メディアセンター、トイレ、更衣室、救護室、駐車場、保育室などの施設もリニューアルまたは増設する予定。併せて同スタジアム横には40を超える各スポーツ協会が入居する奧運大樓(Hong Kong Olympic House)があるが、手狭であるため増築できるかどうかも検討する。完成後は同スタジアムができたときのように市民も使えるようにし、気軽に使ってもらえるようなスタジアムとして開放する。

 一方、啓徳に作られる啓徳体育園(Kai Tak Sports Park)は28ヘクタールの土地に5万人収容の主場館(Main Stadium)、座席数1万人の室?体育館(Indoor Sports Centre)、一般市民に開放する5000人の公衆運動場(Public Sports Ground)で構成する。

 主場館は、陸上トラックはないが、サッカー、ラグビーなど国際的なスポーツイベントを開催するための規格を満たしたもの。香港スタジアムのように南スタンドを香港セブンズのように盛り上がるようなスタンドに設計するほか、南側の部分は海に面しており、ガラス張りにすることでビクトリアハーバーからの風の影響を避けつつ、海も望める設計にしている。室?体育館はバスケットボール、バドミントン、体操、テニス、卓球などに使う。座席は用途に応じて500人から1万人まで非常に高い自由度を持たせる設計にした。公衆運動場は、ジョギングを楽しむなど市民向けに作られた陸上競技場として利用されるほか、ローカルのサッカーやラグビーの試合などとして使われる。

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