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旧啓徳空港滑走路に「スカイガーデン」 遊歩道が続き花や噴水で憩いの場に

かつての滑走路にできた遊歩道

かつての滑走路にできた遊歩道

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 土木工程拓展署(the Civil Engineering and Development Department)は5月21日、旧啓徳空港(Kai Tak Airport)の滑走路に建設した遊歩道「啓徳空中花園(Sky Garden)」の供用を始めたと発表した。香港市民の新しい憩いの場が誕生した。

植物は年間通じて楽しめるように種類を多く植えた

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 旧啓徳空港跡地は香港中心部の最後の大規模に利用できる広大な土地で、既に開港し、大型客船が停泊する「啓徳郵輪碼頭(Kai Tak Cruise Terminal)」のほか、啓徳?道公園(Kai Tak Runway Park)などがある。今後は13万4000人分の住宅地を造成するほか、スポーツや商業施設の建設を計画するなど多彩な開発を行うことが決定している。地下鉄の整備も進んでおり、同エリアは、香港市民が住みたい場所または投資をする場所として話題になりそうだ。

 1本しかなかった旧啓徳空港の滑走路は現在、「承豊道(Shing Fung Road)」という名前の一般道になっていることはあまり知られていないが、その道路の上に長さ1.4キロの高速道路のような高架状の道路を作り、幅25メートルと10メートルの遊歩道として造成した。

 北西部の遊歩道の始まりは「半月系園景廊(Crescent Walkways)」と呼ばれる。遊歩道が十字型になっており、機首と翼の部分の飛行機の形をイメージした。それに続き、花が咲いている花園広場(Garden Plaza)、草が生い茂る草地広場(Lawn Plaza)が広がる。ここで植えられている植物は80種類を超え、春夏秋冬を感じられるものを選んだ。

 そこを抜けると、この遊歩道で「最も楽しめる空間になる」と予想される噴水広場(Fountain Plaza)がある。下から吹き上がる水、斜めに水を噴き出させてトンネル状にし、その下をくぐれることができるようにする。

 その後、「地面広場(Ground Plaza)」と地上部にも憩いの空間を造った。ここには、小さな屋外劇場も整備し市民の文化活動の場所としての機能も持たせた。スカイガーデンの南東側となる遊歩道の末端はフェリーターミナルにつながる流れだ。

 この1.4キロの間には3カ所の「観景門廊(Lookout Galleries)」を設置。ここからは香港島や東九龍(East Kowloon)などの景色が一望できる。

 外観を見ると、三角の形をしたガラスの壁のようなものが遊歩道に沿って造られている。これは承豊道と連接する道路を走る車の騒音を減らすためもので、波を打ったようなデザインにすることで芸術性を高めたという。遊歩道の高架を支える柱も緑にするなど細部にわたり自然を意識した。

 ほかにも、遊歩道には旧啓徳空港の滑走路番号である「13」と「31」の番号が振ってあるほか、夜はライトアップし幻想的な空間に演出する。ライトアップの電力は設置された風力発電機と太陽電池を利用して行うなどエコも意識した公園にもなっている。

 現時点では、このエリア全体が開発途中のため、スカイガーデンに行くには、タクシー、ミニバスまたは車など交通手段が限られるが、香港中心部でもこれほど大きな緑が多い場所は少ないことから、市民にもまたコロナ終息後の観光地としても注目のスポットになると見られる。

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