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大圍駅に大型ショッピングモール「圍方(The Wai)」建設へ 2023年開業目指す

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 香港鉄路(MTR)は、デベロッパー最大手「新世界発展(New World Development)」と共同で大圍(Tai Wai)駅南側に駅に接続する形で大型のショッピングモール「圍方(The wai)」を建設中であると改めて発表した。60万人の利用を見込み、2023年の開業を目指す。

モールの外観予想図

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 大圍駅の南側には高層マンション群「柏傲莊(The Pavilia Farm)」があり、現在は第3期(285~1695平方フィートの部屋892戸)の建設が進められている。マンションの第1期から第3期辺りの下層階部分は、香港の典型的な建築構造である大型のショッピングモールが建設されることになった。元々同地区は大規模な埋め立てにより、約30年で新界の中でも最も都市化が進んだ隣駅の沙田エリアにも近く、川幅が広く雄大な城門川が流れ、サイクリングコースの起点としても知られるが、同モールはサイクリングコースにも直結する設計になっている。

 名称は「圍方(The Wai)」で、延べ床面積は65万平方フィート、店舗数は150を見込み、白を基調とした明るい印象に仕上げる予定。4フロアがショッピングモールになる。各フロアにオープンアトリウムを設け、2階~4階には8万平方フィートを超える緑も取り入れたスペースを設ける。2階部分のメインアトリウムではイベントなども行う想定をしている。天井部分には鉄道のレールをモチーフとした照明デザインを採り入れるなど、鉄道会社らしさも表現した。早ければ2021年末から2022年の初頭にかけてテナントを募集する。

 大圍がある新界(New Territories)は郊外にあることから、一定程度の車社会であることを踏まえ駐車場は430台を収容できるほか、自転車用の駐車スペースは1万3000平方フィートを使って330台分を確保し、香港最大の屋内駐輪場となる予定。屋上部分は28万平方フィートあることから、マンションの住人を対象としたクラブハウスや屋外公園などを建設する。

 香港でも、鉄道会社MTRが日本のようにショッピングモールを運営するなど、近年はデベロッパー的な企業にもなっているが、同社はショッピングモールを3つのレベルに分け、最も上のクラスを「高端商場Luxury Mall」として、九龍駅(Kowloon Station)上にある「圓方(Elements)」を運営している。真ん中のレベルは「地区性商場(Regional Malls)」とし、九龍湾(Kowloon Bay)の特福広場(Telford Plaza)、青衣(Tsing Yi)にある「青衣城(Maritime Square)」、将軍澳(Tseung Kwan O)の「Pop Corn」などがある。3つ目は「其他商場(Neighbourhood Mall)」として、杏花邨(Heng Fa Chuen)や屯門(Tuen Mun)などでもモールを運営する。現在黄竹坑(Wong Chuk Hang)に建設しているモール「The Southside」もMTRによるもの。

 運営ノウハウも多く持つMTRは今回、新世界発展と組むことで尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のモールK11 MUSEAのテイストを盛り込むことも考えていると見られる。

 大圍は長らく車公廟(Che Kung Temple)や城門水塘(Shing Mun Reservoir)への入り口の街として知られてきたが、今後、大圍駅は、東鉄線(East Rail)と屯馬線(Tuen Ma Line)の2路線が乗りいれる乗換駅ともなり、沙中線が開通すれば金鐘まで17分で到着できるなど都心とのアクセスも良くなるため、今後、さらなる発展が見込まれる。

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