香港地下鉄(MTR)は10月22日、沙田(Shatin)と中環(Central)を結ぶMTR沙中線(Shatin to Central Link)の紅●(Hung Hom)から金鐘(Admiralty)の延伸部分について来年6月から7月にかけて開通させる予定であると発表した。これに関連する路線改良工事に伴い、10月31日には旺角東(Mong Kok East)から紅?間は運行停止となり、代替として紅●と九龍塘駅(Kowloon Tong)の間で無料シャトルバスを運行する。
ビクトリアハーバーを渡るもう1本の地下鉄にはエキシビジョンセンター駅も
路線改良工事は、東鉄線(East Rail Line)が紅?駅に6月27日に全線開通した屯馬線(Tuen Ma Line)が乗り入れたため新しくプラットホームを増設が必須となったことから行うもの。2021年1月からほぼ月1回のペースで運行停止を伴う大型工事が行ってきたが、今回が最後になる予定。
沙中線は、羅胡(Lo Wu)と紅?を結ぶ東鉄線がさらに南進してビクトリアハーバーを超えて香港島まで伸びた路線。延伸部分の総延長は6キロで南北走廊(North South Corridor)と呼ばれる。途中駅に「会展駅(Exhibition Centre Station)」が建設されるほか、「金鐘駅」が始発 / 終点の駅となる。会展駅は湾仔(Wan Chai)の会議展覧中心(HKCEC)の東側、鷹君中心(Great Eagle Centre)と海港中心(Harbour Centre)のすぐ北側に建設される。HKCECのほかにも湾仔運動場(Wan Chai Sports Ground)へのアクセスも向上する。金鐘駅は南港島線(South Island Line)の1フロア上に建設される。特に金鐘駅は、港島線(Island Line)、●湾線(Tsuen Wan Line)、南港島線(South Island Line)の3路線が既に乗り入れており、沙中線の開通で4つ目の路線が乗り入れるという、香港随一の鉄道ターミナル駅となる。
現在の東鉄線は12両編成となっているが、沙中線として開通後は9両編成で運行する。ただし、開通後一度に全ての車両を9両編成にすることは難しく、段階的に車両を入れ替えていくため、当面は12両編成と9両編成が混在した運行になる予定。そのため、運行掲示板には次の列車は何両編成かの表示が組み込まれるほか、プラットホームの地面にも、9両編成と12両編成時の車両停車位置が分かるように示されることになっている。
香港島と尖沙咀(Tsim Sha Tsui)を結ぶ列車は?湾線しかなかったが、沙中線の開通で紅?という尖沙咀東部へのアクセスが可能になることから、乗客の分散に貢献できる。これまで香港島から羅胡に向かう直通列車がなく、九龍塘駅などで乗り換える必要があったが、これにより乗り換えが解消されるため、深?へのアクセスが劇的に向上する。
2012年に始まった延伸工事は10年の時を経て、ついに完成することになる。
●=石へんに勘。●=草かんむりに全。