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「ワクチンバブル」から「ワクチンパス」へ  香港から日本への隔離は7日間に短縮

ワクチンパスに向け1回めの接種率は8割近くにまで達した香港

ワクチンパスに向け1回めの接種率は8割近くにまで達した香港

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 香港政府は1月27日、「疫苗氣泡(Vaccine Bubbles)/ワクチンバブル」と称しワクチン接種などを前提とした各種防疫措置の段階的緩和する政策を実施してきたが、2月24日より「疫苗通行證(Vaccine pass)/ワクチンパス」と呼び方を変え、新たな方策を実施すると発表した。一方、日本政府は1月28日、全ての国・地域からの入国者に対する自宅や宿泊施設での待機などについて1月29日より、これまでの10日間から7日間に短縮する措置を発表した。これにより、香港から日本への隔離期間は7日間になる。

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 香港は30日現在、累計感染者数が1万3679人、死亡者は213人、回復者1万2677人、30日の新規感染者は81人、そのうち77人が域内感染となっている。一方、ワクチン接種者については、1回目が534万5210人(79.4%)、2回目も終えた人は480万6858人(71.4%)となっている。3回目の接種回数は95万1157回だ。

 香港は昨年4月14日、「ワクチンバブル」政策を始めた。実施当初は飲食店、バー、カラオケなどの従業員のワクチン接種レベルで営業時間や収容人数などに差をつけるなどした。最近でも1月20日に児童・生徒、学校関係者に対するワクチンバブル政策を発表するなど、段階的に対象を広げてきた。しかし、香港政府は「バブル」という言葉では違う解釈をする人がいるということで「ワクチンパス」という名前に切り替えることにしたという。

 この政策によって1回目のワクチン接種率を90%にすることを目標に掲げているが、まず、新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を通知するスマートフォン向けのアプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」を有効活用する。既にアップデート版をリリースしているが、その機能を強化した。新バージョンでは、レストラン、ショッピングモール、銀行、病院、政府施設など合計11万カ所の公営施設または民間施設の入り口にQRコードを掲示する予定で、そのうち民間施設は8万7000カ所に上る。

 入り口に掲げてあるQRコードをスキャンすると、青いQRコードが画面に表示される。一方、未接種者は日本の駐車禁止の標識に似たマークが赤い背景に白抜きで表示される。ワクチン接種記録とワクチン未接種者が当該施設に入る場合は、医師が発行した免除の証明書「豁免證明書」が必要となるが、豁免證明書も電子化され、安心出行と連動するようにプログラムされている(有効期限は90~180日)。タクシーに乗る場合、安心出行を起動させ、ドアについている黄色と黒のアルファベットと数字の部分をQRコードと同じようにすると乗車した記録が残る。施設の入り口、タクシーのいずれも、スキャンした日時をリアルタイムで表示させることになりスクリーンショットでの不正ができなくなった。

 ワクチンを接種した人は紙の接種証明書をもらえるが、その右上にQRコードが付いている。これまで医学的な接種証明が必要な場合はこの紙の証明書が必要だったが、安心出行が接種記録とつながることから紙の証明書を持ち歩く必要がなくなる。 

 一方、日本政府は1月28日、全ての国・地域からの入国者(国籍は問わない)に求めている自宅や宿泊施設での待機、待機期間中の健康フォローアップ、公共交通機関不使用の期間について1月29日より、10日間から7日間に短縮するとした。これにより、香港から日本への隔離期間は7日間になる。期間短縮については1月14日に14日から10日に短縮したばかりだった。

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