香港にベーカリーショップが相次ぎ出店する中、中環に4月11日、「ビエノワズリー」をうたうベーカリーとコーヒーの店「Frenchies(フレンチーズ)」(G/F 39-43 Hollywood Road, Central)がオープンした。
ビエノワズリーはパティスリーとベーカリーの中間的な存在で、ミルフィーユやプロフィトロールなど、冷蔵保存が可能な高級菓子を扱うパティスリーに対し、ビエノワズリーはクロワッサンやデニッシュなど、日常的なフランスのパンや菓子を扱う店のこと。
店舗の外にも椅子などを置いてコーヒーやパンを楽しめるようにした
カウンター越しに見える厨房では、フランス産の素材にこだわったビエノワズリーを届けるため、天然酵母を使い、24時間体制でパン職人が一点一点焼き上げる。
荷李活道沿いにある店は、看板などは紺色を基調とし、差し色に金を配し、「カジュアルな中にも高級感を出した」という。スタッフは同じ紺色のウエアに淡いオレンジ色のキャップをかぶり、「親しみやすさ」を出した。店外にも座れるスペースを用意し、焼きたてを食べることができるよう設計する。
本場の小麦粉を使ったクラシックなクロワッサン(20香港ドル)をはじめ、クロワッサンに独創的なアレンジを加えた、香ばしく甘いアーモンドペーストとオレンジを使った看板商品「ドラゴンズバック」や、「エスプレッソシナモンロール」(以上35香港ドル)などを用意。香港の健康志向に合わせた全粒粉サワードウ(1キロ=70香港ドル、500グラム=40香港ドル)なども並べる。
オンライン販売にも力を入れ、週末に家族で楽しめるようにキッシュやバナナケーキをはじめ、コーヒー豆なども含めた店頭で販売する商品を、100香港ドル以上の購入で、香港島であれば週末の朝8時までに配達する。
店名のFrenchiesは、フランス人駐在員がコミュニティーでよく使う言葉で、「どの都市に住んでいても、その土地に合ったフレンドリーなサービス、優れた品質、適正な価格を求める人々のための地元の拠点になることに思いを込めて名付けた」という。店を立ち上げたのは、Matthieu Maury(マチュー・モーリー)さん。2013年に香港に移り住み、フランス語しか話せなかったが、すぐに香港の魅力に取りつかれたという。「Fineprint」「Eric Kayser」をはじめ、コーヒーチェーン店「La Station」の立ち上げにも携わった。
「フレンドリーなパン職人をはじめ、私たちのチームのメンバーは皆、伝統に忠実。熱意あるバリスタが、一切の手抜きをせずコーヒーを提供する。私たちが使うコーヒー豆は生豆を地元で焙煎(ばいせん)している。もちろん、ビエノワズリーにはフランス産のバターとパティスリー用の小麦粉を使っている」とMatthieuさんは話す。
営業時間は7時~19時。