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香港に「グローバルワーク」新店 アプリ・ECなど新たな香港戦略打ち出す

久々の新店をオープンした「グローバルワーク」

久々の新店をオープンした「グローバルワーク」

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 香港・●灣のショッピングモール●灣プラザに3月25日、「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」(Tai Pa StreetShop103-106, L3, TsuenWanPlaza, Tsuen Wan, New Territories)の新店舗がオープンした。2888スクエアフィートの店内に、メンズ、レディース、キッズ、生活雑貨などを展開するが、同モールの近くにはYATA、スシローがありファミリー層が集まりやすいことから、キッズラインに力を入れる。

モールの客層にあわせて、キッズラインを充実

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 グローバルワークを展開するアダストリアは、香港ではほかにも、「ニコアンド」「ローリーズファーム」などを展開。同社は以前、香港では「Collect point」というブランドの集まりによる複数集合展開をしてきたが、現在は戦略を変え、店舗を整理しながら「より利便性のいい核となる店舗展開をしていきたい」とする。

 香港は元々、既存客のロイヤルティーに対して、常に割引価格などで購入することができるVIPカードなどが主流だったが、小売り店はアプリを開発し顧客を囲い込む傾向もある。同社はこの2年間、ランク分け、ポイント付与、誕生日月の特典や年2回のクーポンなどでアプリ利用者を25万人にまで増やしてきた。過去のVIP制度は10%引きが常態化することで、特定層の囲い込みはできるものの、直接的な来店動機につながらず、来店を促進し、頻度を増やすためにはアプリが有効だったという。

 アダストリア海外企画室長の佐藤正啓さんは「香港は、その利便性からECがなかなか育ってこなかったが、この2年のコロナ禍を経て、EC企業が大きく売り上げを伸ばす素地ができた」と話す。アプリで獲得した顧客への利便性をさらに向上させるため、7月を目途にECサイトを開設する準備に入った。ECサイトを立ち上げることで、これまでは出店数が限られていた同社が持つ40以上のブランドを扱うことができるほか、新しいブランドの参入障壁も最小限に抑えられることに期待する。

 同社は以前、香港に日本人駐在員10人がいたが、現在は1人もおらず、香港人のみで運営している。限られたエリアの中でフォローアップしやすい体制、日本人がいないことにより、自分たちで考えなければいけない責任感が生まれ、現在社員70人、アルバイト200人体制で香港市場を運営している。

 「家賃や人件費などが高く、店舗数を増やしたからといって売り上げの天井は見えてしまう中でも、税制や中国本土広東省に進出していく中で、売り場づくり、フォローアップなど香港で事業継続をしていく意味は大きい」と佐藤さん。「むしろ象徴的なブランディングのための店舗やピックアップポイントとして便利な交通量の多い駅の近くなどには積極的に出店も考えていきたい」とも。ECを効果的に使うことでのシナジー効果に期待しているといい、「香港マーケットにフィットするものがあれば、洋服にとらわれずにアンテナを張ってチャレンジしていきたい」と意気込む。

営業時間は11時~22時。

 ●=草かんむりに全

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