香港政府は5月13日、2023年の公休日を発表した。新型コロナ肺炎による厳しい措置で、多くの市民は香港から出れない状態が続いている。コロナ前は多くの市民がSNS上で情報を拡散し合う注目の「香港公休日」だったが、今後の出境への期待する声がある一方で、まだ現実的に受け止められていない人も多いようで、昨年同様、静かな発表となった。
2019年までの香港で祝日の発表は、「何日有給消化をすれば、連続何連休を取得できるか」についての関心に集中してきた。これは香港市民が常に休暇には海外旅行をしようという意欲が高いことが理由にある。しかし今年の発表でも、「早く旅をしたい」というコメントがある一方で、「隔離があれば普通の労働者は簡単に休暇をとりにいくい」というコメントや「一度海外に行くと、香港に戻るのが辛くなる」といった前向きでないコメントも寄せられている。
旧正月、クリスマス、釈迦(しゃか)誕生の日やイースターが公休日になるなど国際都市ならでは特色があり、2023年の日曜以外の追加公休日は昨年同様、全17日を予定している。香港では日曜が公休日と指定されおり、多くの企業で土曜・日曜の週休2日制や土曜午後休を採用している。土曜に当たる祝日には例年通り振り替え休日は設定していない。「2023年の1月1日と国慶節が共に日曜日に当たるため、その翌日を振替休日とする」とし、「旧正月1日めが日曜日に当たるため、旧正月4日目を振替休日とする」とスポークスマンは話す。
香港市場は、香港に戻ってからの隔離措置がワクチンの回数によるものの現状1週間となっている。日本旅行解禁が期待されている一方で、ヨーロッパやアジア圏の渡航制限がないエリアへの旅行は復活し始めている。とはいえ、長距離、長期旅行に出かけることができる層はまだ一部で、全体的に回復するには数年単位のスパンが必要になると予想されている。2~3日の有休を取得すれば9日~10連休を日本を含めたアジア圏の近距離旅行が検討する可能性が高いという見方も広がり、日本への期待に拍車がかかる。
2023年は旧正月、イースターとクリスマスに長めの休暇を取ることができる可能性がある。旧正月は1月22日の農暦年初一で始まり25日までで、日曜~水曜。続く27日・28日に休暇を取得すれば、土曜日が休みの場合、週末と合わせて9連休を取得できる。
旧正月以外で長期連休が想定されるのは、4月5日の清明節で、清明節前後に3日の有給を取得すると10連休になる。クリスマスも、12月27日~29日の3日間の有給を取得し、土曜日が休みであれば11連休を取得できる可能性がある。3連休は土曜日も休みの場合、4月の労働節、5月の仏誕節、9月の中秋節、10月の重陽節に全部で4回予定されている。3日以上の連休は計8回となる。
桜の見頃は全国的に開花が早かった今年で見れば、2023年は香港のイースター休暇が北陸の北部エリアと福島、仙台、山形などの南東北の見頃の時期にぶつかるため、この3年、日本に渡航できなかった香港人の「桜を見たい」という希望が、2023年はかなうことが期待される。クリスマスから年末の休みにはスキーやスノーボードをはじめとしたウインタースポーツを楽しむ人が長期滞在をする期待も高まる。
公休日は以下の通り。毎週日曜を基本とし、1月1日(正月元日)、同22日(旧正月元日=農暦年初一)、同23日(旧正月2日=農暦年初二)、同24日(旧正月3日=農暦年初三)、同25日(旧正月4日=農暦年初四)、4月5日(清明節)、同7日(キリスト受難日=耶●受難節)、同8日(キリスト受難日翌日=耶●受難節翌日)、同9日(キリスト復活節)、同10日(イースターマンデー=復活節星期一)、5月2日(メーデー翌日=勞動節翌日)、同26日(仏誕節)、6月22日(端午節)、7月1日(特区成立記念日=香港特別行政區成立紀念日)、9月30日(中秋節翌日)、10月1日(国慶節=國慶日)、同23日(重陽節)、12月25日(クリスマス=聖誕節)、同26日(クリスマス翌日ボクシングデー=聖誕節翌日)。
●は魚へんに禾。