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香港政府、全香港居民を対象に任意の抗原検査実施へ 電子マネーは7日支給開始

徐々に人も増える香港の中心街

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 林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は4月2日、記者会見を開き、4月8日~10日の3日間連続で全香港居民を対象に抗原検査を実施すると発表した。参加は任意。併せて香港政府は、4月7日、電子マネーの第1弾5,000香港ドル分の支給を始めると発表した。

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 香港は5日現在、検査による陽性反応を示した人は117万4560人、最終確定した累計感染者は30万5819人、死亡者は8262人となっている。新規感染者は3138人、うち12人は海外からの輸入症例。一方、ワクチン接種者については、1回目が620万9701人(92.2%)、2回目も終えた人は574万3719人(85.3%)となっている。3回目の接種回数は287万5619回だ。

 元々、香港政府は全香港居民を対象に3回の強制PCR検査を計画していたが、PCR検査の検査能力、人員、検査を行うタイミングなど、実施するための環境が整わなかったことなどから検査を棚上げしていた。現在は新規感染者が減少傾向を示していることから、残りの隠れ陽性者の炙(あぶ)り出しを行いたい考えだ。

 この検査を実施するため、全270万世帯向けに4月2日より1週間以内に配布が完了する予定の「新型コロナウイルスの防疫対策パック」に同封されている抗原検査キット20個を活用する。林鄭行政長官は、検査はあくまで任意だが、検査期間内に市民に自主的に検査するよう求めた。陽性だった場合は24時間以内に衛生署(Department of Health)内が整備した陽性者報告用ウェブサイト「2019冠状病毒快速抗原測試陽性結果人士申報系統(Declaration System for individuals tested positive for COVID-19 using Rapid Antigen Test)」を通じて申告する必要がある。検査期間中にロックダウンを行われない。

 併せて香港政府は、新型コロナウイルスにより香港市民の家計を助ける目的と落ち込んだ経済を活性化させるため実施する1万ドルの電子マネーの支給の詳細を4月3日、明らかにした。支給開始は4月7日で、まずは半分の5,000香港ドルを支給する。支給の手段は、2021年と同じように「WeChat Pay HK」「支付寶香港(Alipay HK)」「拍住賞(Tap & Go)」の3つのアプリと、「八達通(Octopus)」の4種類。2021年の電子マネーの支給を受けた人は再登録する必要はないが、新規登録者または受け取りを八達通から変更をする人は手続きが必要。

 アプリ利用者は5,000香港ドル分がアカウントに入金される。一方、八達通は、各MTR駅に設置されている交通還元用の水色機械、フェリーターミナルとLRTサービスセンター、セブン-イレブン、サークルK、恵康(Wellcome)などでチャージしなければならないが、今回は最初に4,000香港ドルが支給され、一定の期日までに4,000香港ドルを消費すると残り1,000香港ドルがもらえる仕組みだ。

 問題は八達通がチャージできる上限が原則3,000香港ドルとなっている点。そのため、最初に3,000香港ドルがチャージされた場合、1,000香港ドル以上を先に消費する必要がある。その後、再び、MTR駅にある還元用機械やセブン-イレブンなどで残りの1,000香港ドルを再チャージする流れ。その結果、八達通利用者は5,000香港ドルを全額受け取るには、最低2回はチャージする必要がある。

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