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香港、ワクチン接種前提の社会生活スタート ワクチンパスの詳細

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 香港政府は2月21日、ワクチン接種を基本とした新型コロナウイルス対策「疫苗通行證(Vaccine pass)/ワクチンパス」についての詳細を発表し、24日から3段階に分けて実施がスタートした。未接種者は多くの施設で入場が禁止されるなど、事実上、ワクチン接種が前提の社会になる。

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 香港は23日現在、検査による陽性反応を示した人は7万5248人、最終確定した累計感染者は3万2538人、死亡者は385人となっている。新規感染者は8674人、うち3人は海外からの輸入症例だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が588万4239人(87.4%)、2回目も終えた人は513万8421人(76.3%)となっている。3回目の接種回数は155万4810回だ。

 ワクチンパスのスケジュールは以下の通り。第1弾=2月24日~4月29日。12~17歳は1回接種、18歳以上は1回接種。第2弾=4月30日~6月29日。12~17歳は1回接種、18歳以上は2回接種。第3弾=6月30日以降。12~17歳は1回目の接種から6カ月未満は1回、6カ月以上は2回。18歳以上で2回目の接種から9カ月未満は2回、9カ月以上は3回接種。

 適用場所は、全ての飲食店(バー・パブを含む)、アミューズメントゲームセンター、浴場、フィットネスセンター、アミューズメント施設、公共娯楽場所、パーティールーム、エステとマッサージ施設、クラブと夜総会、カラオケ、麻雀と天九施設、クラブハウス、体育施設、スイミングプール、クルーズ船、イベント施設、宗教施設、理髪店・美容院、ショッピングモール、デパート、スーパーマーケット、街市、ホテル・ゲストハウスだ。

 これらの場所では、新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を通知するスマートフォン向けのアプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」を起動し、入り口にあるQRコードをスキャンしなければならない。アプリはワクチン接種記録と連動しておりQRコードスキャン後はスマホの画面にワクチン接種記録についての別のQRコードが表示される。このコードを店先に置かれているITデバイスにかざすか店のスタッフに提示しスキャンしてもらう。または、ワクチン接種した際に受け取った接種証明書(紙の右上にQRコードが付いている)を利用することもできる。

 ただし、ショッピングモール、デパート、スーパーマーケット、街市については、入り口でのQRコードのスキャンは必要だが、スマホ画面に表示されるQRコードは必要ない。検査官が抜き打ち検査をしているため、担当者から要求された場合はスマホのQRコードを提示する必要がある。屋外の公共娯楽施設、体育施設、イベント施設(テーマパーク、屋外運動場、野外コンサートなど)は入り口のQRコードのスキャン後、スタッフによるスマホ画面のQRコードのスキャンは必要なく、目視での確認が認められる。

 これらは、学校、大学、政府関係庁舎、康楽及文化事務署(LCSD)が管理する施設、公立病院、老人ホーム、介護施設でも適用される。別のアプリ「智方便(iAM Smart)」と「醫健通(ehealth)」の利用も可能。スキャンした記録は31日間、保存記録される。

 外国でのワクチン接種も有効。接種証明書を持って香港内にある18カ所の郵便局で所定の用紙に必要事項を記入すると、香港専用QRコードを発行してもらうことができ、それをスマホに保存することで安心出行の利用が可能となる。QRコード未収得の場合は、所定の用紙に名前と電話番号、利用した日付を記入しなければならない。

 ワクチンパスの適用外は、12歳以下の者、ワクチンを打たなくてもよいという証明「豁免証明書」(有効期間90日、最大180日)の所有者、持ち帰り用の飲食物の購入または受け取り、配達や集荷のみをする者。必要な修理をする者、ワクチン接種、治療、検査を受ける者、不可欠な政府のサービスを受ける目的の者、法的手続きへの参加を目的とする者、合法的な権限あるいは合理的な理由がある者など。モール直結の駅などについては通勤・通学のための通行は認められる。

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