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香港、追跡アプリを実名制で色分け表示へ 11月までにホテル隔離廃止の可能性も

徐々に感染者が増えているものの、飲食店などの措置への大きな変更はない香港

徐々に感染者が増えているものの、飲食店などの措置への大きな変更はない香港

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 香港政府が7月1日より新しい体制になってから防疫対策について次々と新しい方針を打ち出している。衛生局の盧寵茂局長は11月に開催される金融の投資サミット「国際投資峰会」に合わせて政府指定ホテルでの強制隔離を廃止したい考えを示したほか、新型コロナ追跡アプリの安全出行(LeaveHomeSafe)については実名制および赤黄青色と色分け制を導入する考えだ。

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 香港は15日現在、検査による陽性反応を示した人は128万7088人、最終確定した累計感染者は34万4739人、死亡者は9432人となっている。新規感染者は3574人、うち156人は海外からの輸入症例だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が675万6022人(92.8%)、2回目が648万7153人(89.1.%)、3回目を終えた人が446万7964(65.7%)、4回目の接種回数は17万6674回だ。

 香港政府は、ゼロコロナ政策からウィズコロナ政策にシフトしてきたが、中国本土のとの往来を考慮して入境者に対しては政府指定ホテルで1週間の隔離を要求しており、完全なウィズコロナ政策ではない。ワクチンについては、安心出行と連動させワクチンを打たなければレストランや商業施設などに入ることができない「疫苗通行證(Vaccine Pass)/ワクチンパス」を推進している。

 香港政府は7月7日より、特定の国や地域からのフライトを禁止する措置のほか、特定の同じ出発地から香港に到着する便を一定期間禁止する「熔断機制」について、同じ航空機に搭乗していた乗客がHKIA到着時に行われるPCR検査で5人以上の陽性者が出るなどのケースの違反があった場合、1回目は2万香港ドルの罰金、10日以内に再び違反が出た場合または航空会社が罰金の支払いを拒否した場合は、5日間の香港国際空港着陸を禁止していたが、廃止するとした。

 ホテルでの強制隔離でほとんどの陽性者を発見できていることと、香港人留学生の帰省に際し、混乱を抑えるのが目的。その代わり、入境後、5、9、12日目にPCR検査を受けていたが3日目にもPCR検査を追加した。

 安心出行については、まず実名制とする。これまでは当該施設に入場しようとする際、施設側に提示していたQRコードは青色で表示されていたが、今後は赤、黄、青の3種類になる。ただ、色分け制の開始時期の詳細はまだ明らかになっていない。

 赤色は新型コロナ陽性者が入院後、自宅隔離に切り替わった人などが対象。外出禁止であるほか、レストランを含めた各施設への入場も禁止となる。これまで、自宅隔離になっても外出し、青い表示のQRコードが表示されていたため施設への入場は事実上、可能になっており、一つの抜け穴となっていた。それを防ぐための措置となる。7月15日からはQRコード付きのバンドが復活し、自宅から外出をしないように監視。違反した場合は1万香港ドルまたは6カ月の禁固刑となる。

 黄色は、海外からの入境し政府指定ホテルで強制隔離している人または感染リスクがある人が対象となる。将来的に強制隔離は7日間のホテル滞在から、ホテル5日、リストバンドを着用した上での自宅隔離2日などに切り替えることを計画している。香港政府は、コロナ監視期間は14日で1クールと考えており、合計7日間のホテル隔離と自宅隔離が終わっても残り7日間は、外出を認めつつも、感染を広げる可能性がある人物として捉え、医療機関など決められた施設には入ることができないようにする。つまり、黄色の表示は入れる施設と入ることのできない施設の両方があることを意味する。

 青色はこれまで通り。赤色、黄色の人も条件をクリアすれば青色に変わる。 

 盧衛生局長は「1国2制度の下、盲目的に中国政府の防疫方針に従うことはない」とし、11月1日と2日に開催される「国際投資峰会」までにはホテル隔離を廃止する方針を示した。11月4日~6日には7人制ラグビーの大会香港セブンズも開催予定で、選手や関係者の隔離がなくなることを目指していることもあり、3年ぶりに同大会が開催される公算が高まった。

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