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香港に値上げの夏到来 タクシー・トラムが一斉値上げ、電気料金も

交通機関やガス料金など値上げが続く香港

交通機関やガス料金など値上げが続く香港

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 7月に入り、11日にトラムの乗車料金が3香港ドルに値上げしたほか、タクシーも17日から値上げした。赤いタクシーの初乗りは27香港ドル、緑は23.5香港ドル、青色は22香港ドルが初乗り料金となった。さらに電気料金も7月分から値上げするなど「値上がりの夏」を迎えている。併せて、新世界第一巴士(新巴/FWFB)は7月1日に城巴(City Bus)と合併し、新巴の名前が無くなった。

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香港トラムウェイズ(Hongkong Tramways)は7月11日、12歳以上の運賃を2.6香港ドルから3ドルに、3~11歳を1.3香港ドルから1.5香港ドルに、65歳以上は1.2香港ドルから1.3香港ドルに、それぞれ引き上げた。1カ月の定期券は220香港ドルから260香港ドルとなり、4日間乗り放題の「遊客票」は廃止する。値上げは2018年4月以来。

 理由は、他の公共交通機関との競争の激化とコロナ禍による外出制限などにより乗客数が減少したため。2020年の利用者数を見ると、前年比24%減。2021年も同16%減となり、300万香港ドルの赤字となっている。今後の投資なども含めての値上げとなった。

 タクシーは7月17日から値上がりした。原因は、同じくコロナ禍による利用客の減少のほか、昨年から原油価格の上昇に加え、ウクライナ情勢でさらに価格が高騰したため。これによりドライバーの利益が減少した。現在、ドライバーの高齢化が進んでいるだけでなく、ドライバーの収入が下がってきていることから、値上げすることで新しいドライバーを引き付けようとする狙いもある。

 香港島や九龍(Kowloon)を中心に走る赤いタクシーは、初乗りは2キロまでが27香港ドル、2キロ以降は200メートルごと、または停車1分ごとに1.9香港ドル。新界(New Territories)を走る緑色は、同2キロまでが23.50香港ドル、2キロ以降は200メートルごと、または停車1分ごとに1.7香港ドル。大嶼山(Lantau Island)が管轄区域の水色のタクシーは、2キロまでは22香港ドル、2キロ以降は200メートルごと、または停車1分ごとに1.7香港ドルだ。

トランクに入れる荷物への加算料金は1個6香港ドル、動物を乗せる場合の加算料金は1匹5香港ドルと、これらの料金は据え置いた。

 電気料金も7月分から値上げする。中華電力(CLP)は、燃料費がキロワットアワー(kWh)当たり46.7セント引き上げ基本料金は93.7セントになり、特別リベートは3.4セントとなる。一方、香港電燈(香港 Electric)はキロワットアワー当たり50.8セント値上げし、基本料金は1ドル9セントになる。特別リベートは1セント。

 世界でインフレとなっている国・地域が多いが、香港も原油高や客の減少による売上や利益の減少を招いているため、各社が値上げに踏み切るなど、インフレ傾向が続いている。

 昨年値上げをしたばかりのバスは今回、値上げはしない。しかし香港島を中心とし、九龍、新界のエリアを結ぶ路線を運行してきた新巴と城巴は7月1日に合併し、城巴に一本化した。両社合わせて5000人を雇用し、1700両のバスを所有する。香港島という小さな島での営業であることと地下鉄の路線網が拡充されるなど厳しい経営環境だった。合併による重複路線の解消で経営の効率化も図ることができる。今後10年間で35億香港ドルを投資して、バスターミナルや整備工場の拡充、新型バスの購入などを行うとしている。

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