銅鑼湾からもほど近く、住宅街が広がる大坑に6月21日、ドイツ、ハンガリーオーストリア、ポーランド、チェコなどの中央ヨーロッパ料理を提供する「Porkcentric」(G/F, 98 Tung Lo Wan Road, Tai Hang TEL: 9169 0298)がオープンした。同店は、「Ask for Alonzo」の仕掛け人でもあるバート・シニエック(Bart Szyniec)さんとジュリアーノ・ダカスト(Giuliano Dacast)さんによるDeadly Rabbitsグループが経営する。
ダイニングエリアはメインダイニング、ビアバー、サルメリアバーの3つのエリアで構成され、香港とヨーロッパの両方のテイストを取り入れるようにデザインした。ムク材と大理石を使って仕上げたテーブルは、ジュリアーノさんの故郷であるイタリアから取り寄せたもの。レンガの壁は、大坑の街に溶け込むよう設計したという。
中央ヨーロッパには豚肉中心の食文化があるなど、2人のヨーロッパのルーツに加え、シーフードやベジタリアン向けの料理もアレンジするなどして香港の街に合ったコンセプトを立ち上げた。
ジュリアーノさんはイタリアのウンブリア州の畜産農家で働いた経験があり、豚肉について屠畜から調理まで、あらゆることを学んだという。豚のほかにも、イノシシや鹿などの野生動物を狩猟し、その味を生かした料理を作っていた。一方、ポーランド西部で育ったバートさんは20代前半は、ベルリン、プラハ、ウィーンで豚肉料理やビール文化に触れた。ビールタンクが天井に取り付けられている光景も再現しようと、香港で初めてタンクを天井からつるした。
豚肉は、アメリカのデュロック、イギリスのハンプシャー、日本の黒豚、イタリアの黒豚、ハンガリーのマンガリッツァという5種類を仕入れる。「それぞれユニークな特徴、味わい、食感を持つものを選んだ」という。
「香港最大のコールドカットのセレクション」だという同店は、香港で唯一、ポーランド産のコールドカットをレストランメニューとして提供し、テイスティングプラッター(3種198香港ドル、5種298香港ドル)を用意する。専用サルメリアでは常時10~12種類のコールドカットを用意し、頻繁に入れ替える。スロベニアの鹿のサラミ、イタリアのチンギアーレ(イノシシ)のサラミ、ハンガリーのハンガリー産マンガリッツァ豚の肩ロースを調理したサラミなど、種類は豊富だ。
メインディッシュは、250~300度の炭火で焼き上げたバラエティー豊かなグリルミートが並ぶ。ハンガリー産ポークチョップのトマホーク(18/20オンス、568香港ドル)や、シシリア産マッシュポテトに芽キャベツを添えたデュロックポーターハウスポークステーキ(16/18オンス、498香港ドル)などで、シェアして楽しめる。
Porkcentric Platter (808香港ドル)は、クリスピーなポークナックルを燻製にした唐辛子「チポトレ」でマリネしたポークリブ、ローストソーセージに、ケイジャンフライ、ザワークラウト、レンズ豆のサイドメニューが付き、全種類を少しずつ試すことができる。
ベジタリアンやペスカタリアンのための料理も豊富で、アミガサタケ、ブラックトランペット茸、エリンギ、シイタケをカリフラワーのピューレの上にマリネしたマッシュルームサラダ (138香港ドル)や、炭火で焼いた野菜に山羊のチーズとブドウの果汁で作ったシロップ「サーバ」を添えた「チャコールガーデン(Charcoal Garden)」(198香港ドル)、ビーツを添えたタコのグリルには、ラディッシュのピューレ、レッドオニオンも加える。
ポテトとチーズのポーランドの伝統料理であるギョーザ「ピエロギ(Polish Pierogies)」(4個68香港ドル、8個128香港ドル)など、メイン料理を引き立てるメニューもそろえる。
料理に合わせて、海外や地元の醸造所からセレクトしたクラフトビールも用意。天井に設置された3つのビールタンクは市内のレストランでは初となるもので、それぞれ500リットルのクラフトビールが入っている。香港の醸造所であるMoonzenのクラフトビールを取り入れたタンクは、ポーランドの工業地帯をイメージしたもので、ヨーロッパのビール文化の一部を香港に持ち込んだ。
酒米で醸造したライスラガーや肉料理と相性の良いモルティなラガーなどを紹介。パッションフルーツを使ったかんきつ系のエールビールなどをローテーションでも提供していく。これらを使ったビアカクテルメニューも取り入れた。
営業時間は、月曜・火曜=11時~23時、水曜~土曜日=11時30分~24時、日曜=11時30分~23時30分。