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香港での生活必需品「オクトパス」、15年以上使用したカードは失効に

期限を迎えたオクトパスは使用するたび新しいビープ音が

期限を迎えたオクトパスは使用するたび新しいビープ音が

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 電子マネー「八達通(Octopus)」を運営する八達通●(Octopus Cards)は10月11日、安全性を高めた新型のオクトパスカードに切り替えてもらうため、15年以上使ったオクトパスについては失効扱いとすると発表した。11月15日から適用となり、来年2023年11月15日までを新型カードへの交換猶予期間とする。猶予期間を過ぎてからの交換は延滞交換手数料として20香港ドルがオクトパスカード内から差し引く。

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 オクトパスは1997年に発行を始め、現在は2000万枚が流通。香港市民への浸透率は98%に達している。非接触型のカードで通信方式は「NFC」を採用。地下鉄(MTR)、バス、ミニバス、トラム、タクシーなどの公共交通機関のみならず、トンネル、駐車場、商業ビルに入るための入館カード、自動販売機のほか、スーパーマーケットなどの各種小売店など幅広いエリアで使えるため、香港の生活には欠かせないカードとなっている。

 コロナ禍で大きな影響を受けた小売業などを救うため、香港政府は2021年に5,000香港ドル、2022年に1万香港ドルの電子マネーを給付したが、オクトパスカードは電子マネーの給付を受けることのできるサービスの一つとして、香港政府から認められていた。

 オクトパスは2017年、安全性を高めた新型のカードの発行を始めた(一般的なものは背景がグレーのカード)。旧型から新型のオクトパスカードに切り替えることを推奨しており、既に200万枚が交換を済ませた。これを一層加速させるため、15年以上使っているオクトパスカードはは11月15日より失効扱いにすることを決めた。

 来年11月15日までの猶予期間の間に、MTRの各駅、駅やショッピングモールなどに設置されているオクトパス専用の機械「八達通服務站(Octopus Service Points)」、軽鉄(LRT)、バス会社、フェリー会社の指定カスタマーセンターなどで無料で交換することができる。

期限を迎えたオクトパスはカードを使う度に、これまでとは異なる新しいビープ音が3カ月ほど鳴り、利用者に交換を促す。3カ月後には音が消えるが2023年の11月15日までに交換すれば問題はない。カードではなくアプリを使っている場合は、オクトパス側から交換に関してのショートメッセージやメールで通知が届く。

 有効期間内に交換せずに来年11月15日以降もそのまま使った場合、毎年20香港ドルずつカード内にチャージしているお金から延滞交換手数料が差し引かれることになる。 

 ●=上かんむりに下。

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