日本政府は1月4日、香港・マカオから到着する直行便について、成田国際空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港と一定の条件内であれば新千歳空港、福岡空港、那覇空港への着陸を認めていたが、1月8日以降は到着の空港について制限をなくすことを明らかにした。当初予定していた1月からの増便分や新規就航についても元通り着陸を認める。一方、香港政府は1月5日、中国本土との隔離なしでの往来は1月8日に再開すると発表した。
香港は5日現在、検査による陽性反応を示した人は2,720,255人、最終確定した累計感染者は520,685人、死亡者は12,149人となっている。新規感染者は18422人、うち人は海外からの輸入症例。一方、ワクチン接種者については、1回目が6,909,699人(94.6%)、2回目を終えた人は6,788,674人(93.1%)、3回目も終えた人は5,806,923人(83.4%)、4回目が877,906回となっている。
日本政府は中国本土での新型コロナが感染拡大をしていることを踏まえ、1月4日より、中国本土からの直行便において、入国時検査の方法を抗原定量検査またはPCR検査に切り替えるほか、出国前72時間前に受けた検査の陰性証明書の提出が必要になるなど内容を厳しくした。
一方、香港・マカオからは、成田、羽田、関空、セントレアの4空港と、搭乗前7日以内に中国本土へ滞在した乗客がいないことを条件に、新千歳、福岡、那覇への着陸を認めていたが、1月8日以降は検査体制が整っている空港については到着を認めることとした。増便についても、各航空会社に増便をしないよう求めてきたが、一定以上の増便を行わないように各航空会社に要請するとした。
これを受けてANAは1月5日、日本政府の要請により12月28日より減便していた香港発(10時)-成田行き(15時10分)のNH812便について、1月22日・24日・26日について復便すると発表した。ただし、1月17日・19日・20日・27日・29日・31日の便は運休のままとする。新規就航についても大湾区航空は1月12日、成田への就航を予定通り飛ばすことになった。さらに1月22日から高松に飛ぶ予定だったチャーター便についても元の通り飛ばせる見込みとなっている。
一方、香港政府は、香港と中国本土のとの隔離なしでの往来について1月8日に開始すると発表した。新型コロナの感染が広がって以来、約3年ぶりの大幅に緩和となる。
これまでは、深●湾、文錦渡(Man Kam To)、落馬洲支線(Lok Ma Chau Spur Line)という3つの陸路によるボーダーが開放されていたが、香港国際空港、港珠澳大橋(HZMB)、上環(Sheung Wan)にある港澳客輪碼頭(Hong Kong-Macau Ferry Terminal)、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にある中国客運碼頭(China Ferry Terminal)の4つが加わり、計7つの税関を開放する。
最初は混乱を避けるため、1日の往来の人数を、香港から中国本土へは最大で6万人、中国本土から香港へは同5万人に制限。様子を見ながら人数を増加させていく考え。中国本土にいる香港居民が来港する場合は、出発48時間前のPCR検査による陰性証明が必要となる。6万人の内訳は、深?湾が最大1万人、文錦渡が同5000人、落馬洲支線は同3万5000人の計5万人。空港、HZMB、両フェリーターミナルで1万人となっている。
西九龍駅(West Kowloon Station)と中国本土をつなぐ高速鉄道や羅胡(Lo Wu)など、今回開放しない税関は、旧正月以降に再開させる予定。中国本土から香港の学校に通っている生徒・学生も、対面での授業参加が可能になる。
香港のフラッグシップキャリア、キャセイパシフィック航空は、香港と中国本土とのフライトを1月8日より増便する。香港から中国本土各都市までの便はこれまで週27便だったが61便に増加、中国各都市から香港への便は週50便だったが61便に増える。
マカオ政府も1月5日、中国本土、香港、台湾からマカオへの入境について1月8日より陰性証明書が不要とすると発表した。2022年12月23日より、ホテルや自宅での隔離や入境した際に行うPCR検査は既に撤廃していたが、入境手続きの際に提示が求められていたPCR検査の陰性証明書も必要なくなった。
香港から中国本土、マカオ、日本へのアクセスは1月8日以降、コロナ禍前の状況にかなり近づいたことになる。
●=土へんに川