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香港で月餅商戦スタート 定番のペニンシュラなどラインアップ多彩に

今年のペニンシュラはチョコレートカスタード味を販売する。

今年のペニンシュラはチョコレートカスタード味を販売する。

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 今年は9月29日となる中秋の名月=中秋節(Mid-Autumn Festival)に向けて、早くも月餅商戦がスタートした。中秋節の頃でも、まだ厳しい残暑が残っている香港だが、中秋月翌日は祝日で、秋の夜長を家族らと楽しいひとときを過ごす。日本の中元のように仕事の取引先に配ったり、家族や親戚に贈ったりする習慣がある月餅だが、近年はバリエーションも広がっている。一番人気といえるザ・ペニンシュラ香港の月餅の予約も始まり、7月19日まではウェブで申し込みが可能だ。

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 中秋節はもともと豊作を願う祭り事で、ランタンを持って歩く家族連れも多いほか、丸い月を一家団らんの象徴とし、家族が集まって月を眺めながら月餅を食べる。ビクトリアパーク近くの大坑(Tai Hang)などでも開催される火龍舞(Fire Dragon Dance)を見に行く市民もいる。

 月餅は、外皮に餡を詰め、型押しをし、200度以上のオーブンで焼き上げた定番のものから、アイスクリームタイプ、パイ生地などまである。味も、しょっぱさと甘さが一緒になって伝統的な味や、カスタードクリーム、チーズヨーグルトなど、年を追うごとに味が増えていくほか、ここ最近はルイ・ヴィトン、スターバックス、シェイクシャックなど国際的な企業も市場参入してきている。

 そうした多彩な月餅が生まれるようになった先駆けが、1986年に販売を始めたザ・ペニンシュラ香港(半島酒店)内にある有名中華料理店の「嘉麟樓(Spring Moon)」が作ったもの。「迷●●黄月餅(Mini Egg Custard Mooncakes)」と呼ばれ、これまで黄身の塩漬け部分をカスタードに変えたのが革命的だった。伝統的な月餅は大きく1人で食べきるのは難しいサイズだったが、ペニンシュラはサイズを小さくしたことも人気拡大に寄与した。

 同ホテルは、定番のハスの実ペーストのものに加え、今年は初めてチョコレートカスタード味を用意した。カリカリのマカダミアが入ったチョコレートブラウニーと、ソフトで甘いトフィーの2種類がある。ほかにも、イチゴ、マンゴー、パッションフルーツを集めてエッグカスタード月餅に練り込んだフルーツ月餅も用意した。7月19日8時から8月24日まで特設サイトのみで受け付け、在庫限りで販売を終了する計画。価格は1箱4個入り(248香港ドル)から、シャンパン、オリジナル月餅(8個)、バターエッグロール(8個)、フルーツキャンディ、XO?チリソース(1本)などが入った詰め合わせセット(3,988香港ドル)まで10種類以上の商品を販売する。

 フォーシーズンズ・ホテルの月餅は、これまでより砂糖を30%減らしたほか、保存料を使わないなど健康志向の月餅を開発した。卵黄の味の開発に努め、パインナッツ入りカスタード味、オリジナルの卵黄、ハスの種、ヘーゼルナッツなどが入っているセット(以上、6個入り578香港ドル)、ハスの餡(あん)、トリュフ、伝統的な卵黄のセット(同608ドル)を販売する。

 香港のベーカリーの老舗、奇華(Kee Wah Bekery)では、通常の卵黄と蓮の餡は8個入り248香港ドル、同じ味だが砂糖控えめ目タイプは同258香港ドル、ミカンの味は8個入り398ドルに設定した。

 フランスのピエール・エルメも月餅をプロデュース。「バラとラズベリー」「アーモンドとホワイトチョコレート」「ヘーゼルナッツとミルクチョコレート」「ゴマとキャラメルとミルクチョコレート」の4種類入り(538香港ドル)、月餅(4個)、チョコレート、サブレ、お茶などを組み合わせたギフトセット「MOSAIC GRAND MODELEのGold Lock」(1,708香港ドル)を用意。「MOSAIC GRAND MODELEのRED」(1,780香港ドル)は、月餅(4個)、マカロン(7個)、チョコレートボンボン(8個)、お茶などを詰め合わせる。

 2023年の「ミシュラン・ガイド香港・マカオ版」で2つ星を獲得した広東料理店「営致会館(Ying Jee Club)」は伝統的な月餅を用意したが、防腐剤を一切使っていない。1セット(6個入り)は468香港ドル、10~19セットは1セット418香港ドル、20セット以上は1セット388香港ドルと、多く注文するほど1セット当たりの価格が安くなるよう設定した。

 迷●=にんべんに尓、●黄=女へんに乃 

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