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香港で「国際ワイン&スピリッツフェア」 オーガニックワインや香港産ウイスキーも

多くの人でにぎわう日本ブースの様子

多くの人でにぎわう日本ブースの様子

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 「第 15 回香港インターナショナルワイン&スピリッツフェア」が11 月 3 日 ~5日、香港灣仔の香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC)で開催された。主催は香港貿易発展局。

香港ウィスキーのブースも

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 期間中、17の国と地域から500を超える出展者が高級飲料やワインを紹介した。オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、日本、中国本土、香港ワイン・スピリッツ総商会など世界各国から11のグループ・パビリオンが出展し、日本からも国税庁をはじめ、長野県や岐阜県などが出展した。

 開催に先立ち、HKTDCのソフィア・チョン上席副総裁は「コロナ禍によるパンデミックの影響が薄れ、経済活動は平常に戻った。一般市民はパーティーや結婚式などの社交行事が増え、ワインの消費と販売を後押ししている」と話す。香港のワイン輸出は前年比で増加し、今年1月~9月は41.6%増の3億米ドル(23.5億香港ドル)に達したという。香港が地域のワイン貿易と流通のハブとしての役割を担っていることを強調した。

 同見本市は、ビジネス・マッチングの機会を提供し、香港、中国本土、海外からワインの売り手と買い手が一堂に会する。フェア最終日は有料で一般公開。日本酒、 香港ビール、台湾の梅酒、ウイスキー、ジン、ウオッカなども紹介する。

 2008年2月、アジアにおけるワイン需要の高まりを受け、香港政府はワインに対する関税や行政上の規制を全て撤廃し、香港をワイン貿易と流通の地域的なハブとして発展させることにした。特に中国本土向けのワイン貿易と流通の地域的ハブとしての香港の発展を促進するため。中国本土とマカオは香港最大の市場であり、昨年は輸出の69%を占めた。

 ワインの取引と流通に加え、香港のワイン関連事業にはオークション、小売業、倉庫業、飲食業、運送業などが含まれる。統計局によると、740の事業所が卸売りでアルコール飲料を輸入している。2008年の310から2倍以上に増加。同時期に アルコール飲料の販売を専門とする店舗数は140から480に増えたという。

 自然農法や有機農法がトレンドになるにつれ、オーガニックワイン市場も成長を続けている背景を受け、イタリア、フランス、カナダのオーガニックワインを紹介するエリアも設けた。ほかに、寧夏、四川、新疆の中国高級飲料も紹介。スロベニアのスパークリングワインなど、あまり知られていない産地のワインも展示している。スギから青リンゴまで、幅広く魅力的なアロマを持つスパークリングワインだという。

 香港産のウイスキー「Silver Bun-bin」も登場した。穀物と果実を発酵させて蒸留したもので、「複雑な香りが特徴」だが、「ソフトで甘いフルーティーな香り」もするといい、ブースには多くの人が訪れていた。

 ジャパンパビリオンに出展した岐阜県は3回目、コロナ禍以降4年ぶりの出展となった。岐阜県商工労働部の森田千陽さんは「岐阜県からは7つの蔵が出展した。既に香港に流通しているところも、これからのところもあるが、それぞれの蔵の横のつながりもあり、海外を狙っているところとしっかりと連携して取り組んでいる」と現状を説明する。これまでにも継続的に香港市場に取り組む千古乃岩酒造の中島大蔵社長は「少し規模が縮小した感じや本土からの来場者が少し減ったように感じるものの、日本酒がSOGOやcity'superなどの限られたところだけでなく、小売店やコンビニなどでも販売されるようになった。ワインショップから日本酒を置きたいという声も多い」と市場を分析し、「香港は物価が高いが、それだけ高く買ってもらえるチャンスがある」と期待を寄せる。今回初めて出展した平野醸造の鎌野寛副社長は「大手からベンチャーまで、いろいろなサプライヤーに声をかけてもらったが、ベンチャーのようなところでも同じ温度感で仕事ができそうな人にも出会えた」と手応えを感じたという。一方、「純米大吟醸なども既に多くあふれている市場なので、例えば弊社の『白にごり』など、評価は両方に割れることもあるが、他と違うものが求められるのかも」と展示会の印象を語った。

 ●=奥かんむりに号

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