香港電影資料館(Hong Kong Film Archive)(50 Lei King Road, Sai Wan Ho, Hong Kong、TEL 2739 2139)で現在、旗袍(Qi Pao)と呼ばれるチャイナドレスと映画をテーマにした展示会が開催されている。主催は康樂及文化事務署(LCSD)。
会場は館内の展覽廳(Exhibition Hall)で、「更衣記――香港電影旗袍戲服秀(Cinderella and Her Qipao)」と題し、1992年上映の「阮玲玉(Centre Stage/ロアン・リンユィ)で張曼玉(マギー・チャン)さんが着た旗袍などを展示する。
香港政府は2023年、「香港流行文化節(Hong Kong Pop Culture Festival)」と題して、香港映画、広東ポップなど香港のサブカルチャーを紹介するイベントを数多く開催してきた。これまでに、香港のエンタメの歴史を紹介する「●潮香港60+(Hong Kong Pop 60+)」、ラジオ局「香港電台31台(RTHK 31)」でのサブカルチャー番組の放送、張國栄(レスリー・チャン)の没後20周年のイベント「継続寵愛・張國栄記念展(Miss You Much Leslie Exhibition)」、有名映画で使われた衣装・小道具・原稿・セットデザインなどを展示する「無中生有-香港電影美術及服裝造型展(Out of Thin Air: Hong Kong Film Arts & Costumes Exhibition)」、張國栄と梅艶芳(アニタ・ムイ)の映画を香港電影資料館で10作品以上を上映するなど、さまざまな角度から紹介している。今回の展示会も文化節の一環だ。
旗袍は近代中国のファッションを象徴する服で、2017年にも「穿・越・時代:旗袍篇(The Stars, the Silver Screen and the Qipao' exhibition in 2017)」という展示会が開催したが、今回はその続きに位置付ける。「ファッションの多様性」「時代の形成」のという2つのパートに分けて展示する。
映画のストーリー自体はフィクションだが、衣装においては実在人物が着ていたものをリアルに再現することが多い。そうした状況の中、衣装担当のデザイナーが俳優の個性と役柄をイメージを考えながら、どのようにデザインしているのかも学べるようになっている。
展示する旗袍は、阮玲玉さん以外にも、李麗華が映画内で着た「紅●瑰(Red Rose)」、羅蘭が身にまとった「新紅樓夢(Modern Red Chamber Dream)」、夏夢が着用した「都會交響曲(Tales of the City)」、楽蒂(ベティ・ロー)が身に着けた「蕉風椰雨(Malayan Affair)」、林黛(リンダ・リン)出演の「藍與黒(The Blue and the Black)」、林青霞(ブリジット・リン)主演の「滾滾紅塵(Red Dust / レッドダスト)」など、合計31着の旗袍を間近で、「刺しゅうの技術の高さなども感じながら観賞することができる」という。
開館時間は10時~20時。火曜休館。入館無料。2024年5月5日まで。
●=目へんに焦。●=王へんに攵