BtoCをメインにした初の旅行博「香港ホリデー&トラベルエキスポ2024(HTE)」が2月22日~25日の4日間、香港コンベンション&エキシビジョンセンターで開催された。主催は展覽集團(Exhibition Group)。香港旅游業議会(Travel Industry Council of Hong Kong)と深セン観光協会(Shenzhen Tourist Association)が共催した。
同展示会は2024年後半での開催を予定していたが、2023年第1四半期には、香港への観光客の入国者数はすでにパンデミック前の8割まで回復し、香港人も積極的に海外旅行するなど、消費者の旅行ニーズが高まる中、開催を前倒して2月の開催となった。旅行商品・サービス購入のためのワンストッププラットフォームと位置付けることで、オンライン旅行会社や通常は団体を販売する大手旅行会社、航空会社なども出展し、各ブースで特典を用意するなどして直接購入の機会を設けた。
香港だけでなく広東省やマカオも含めた「大湾区」を巻き込んで開催する点も、香港で開催される他の旅行博と異なる。同展示会では、現地ツアー、ホテル、ケータリング、高速鉄道、テーマパーク、レクリエーショナル・ビークル、土産品など6つの展示エリアに300以上のブースが並んだ。
開催に先立ち開催された業界関係者によるフォーラムでは、香港旅游業議会の徐王美倫(ジアンナ・スー)主席が「旅行が、単にその地域を旅することだけでなく、香港でも海外でも、文化やスポーツなどの要素も巻き込んでいくことが大切」という潮流などにも触れ、世界のトレンドなどにも言及した。
香港人の利用頻度が高いオンライン旅行会社「KKday」と「Klook」なども出展し、同イベント限定特典や割引を提供。中国本土、日本、韓国、台湾、タイ、ベトナムの旅行商品や人気アトラクションなどを1割引きにしたり、景品などを並べたりした。香港は狭いエリアであるため、もともと国内旅行の概念がない。そのため、会場には香港内の旅行商品と海外の旅行商品を並べて販売。多くの来場者が特典を求めて列を作った。
展示会場内の指定ブースでMastercardのカードで支払いを行った来場者は、500香港ドルの支払いごとに1回、1,000香港ドルの支払いごとに2回、合計10回まで抽選に参加できた。賞品には、上海、日本、英国、韓国、タイ、台湾の無料往復航空券とホテル宿泊など、総額は最高200万香港ドルまで用意した。
日本からはklook社傘下のジャパンパビリオンのほか、岡山県・鳥取県がブースを出展。コロナ前も含めると両県とも直行便があったものの、岡山や鳥取の位置、夏の暑さや一番良い季節などを訪ねる人もいれば、ドライブのルートについてなど、具体的なプランのための質問なども寄せられた。
24日には特設ステージで両県による観光セミナーも開催。香港で活躍する日本人タレントSOKOさん進行の下、ユーチューバーの袁竣鋒さんも登場して、空港や駅のレンタカー情報や両県の高速道路や国道の情報、車で行くことができる「絶景」観光スポットなどを紹介した。
展示会では香港ムスリム専用ゾーンも設け、地元の特産品ツアーやレストランを通じてイスラム文化を体験できるコーナーも用意した。
最終日の25日には、教育旅行への関心も高まる香港市場を意識し、第1回研修旅行賞発表会「香港傑出学校遊学團嘉許禮」を開催。128の小中高校と40の研修旅行について、より国際的な視野を持つ香港の新世代を育成できるよう、さまざまな研修旅行を積極的に企画した機構や企業を表彰した。