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香港の法定古墳の心霊スポット「高街鬼屋」 毎夜10分ごとにライトアップ

毎日夜は10分ごとにライトアップされる

毎日夜は10分ごとにライトアップされる

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 西営盤(Sai Ying Pun)にある政府施設「西営盤社区綜合大楼(The Sai Ying Pun Community Complex)」(G/F, Sai Ying Pun Community Complex, 2 High Street, Sai Ying Pun, Hong Kong)で5月21日、特別なライトアップをしたショー「高街光影情縁(Love in the Light)」が始まった。ファサードが有名な法定古跡だが香港では心霊スポット「高街鬼屋」と呼ばれることも多い。

建物内部の様子

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 西営盤社区綜合大楼は1892年、3フロアの外国人看護師の宿舎として完成した。当初は、看護師用の寝室10室、労働者用の寮として12室があったほか、寮母室、研究室、倉庫などの施設があった。1939年、隣接していた精神科病院の過密状態を緩和するため、ここを女性専用の精神病棟として改築した。

 1941年~1945年は日本軍が接収し処刑場として使われていたのではないかとうわさされているが、戦争中ということで実態は不明だ。終戦後は再び精神科病院として利用されていたが、1961年に屯門(Tuen Mun)に青山医院(Castle Peak Hospital)が開業し、同施設は日帰り専用の精神科の外来として使われるようになった。

 1971年~1998年は利用されなかったが、1998年、同建物に寄り添うようにコミュニティー施設が建設され現在に至る。

 ファサードが目を引くこの「旧精神科病院」は、広いベランダのあるL字型の建物。一辺が長い方が高街(High Street)に面し、短い方は東邊街(Eastern Street)に沿って作られている。外観は花こう岩を切り崩して作られたブロックなど、初期のバロック様式のデザインが多用されている。内側にはベランダがあり、緑色のドア、天井からつり下げられたランタンのようなライトが高級感を演出している。政府は2015年、法定古跡に認定。いろいろなうわさがある心霊スポットとしても香港市民に知られている。

 香港政府としては、独特の風格を持つ法定古跡であり、近年、高街はおしゃれな店のほか、レストランやバーが並ぶ新しいナイトスポットとして人気が出ていることから、ライトアップを企画した。ライトアップを見た後に高街でナイトライフを楽しんでもらうか、ナイトライフを楽しんだ後にライトアップを見てもらう趣向。不振の飲食業へのテコ入れ策になることを香港政府は期待する。

 より市民に楽しんでもらおうと、香港の著名な建築家、蕭國健さんにライトアップの投影プランを依頼した。同地区は猫が多く、看板猫として飼われている猫も少なくない。そこで、ARを駆使し、スマートフォンを通して施設を見ると建物の中に猫が登場するような仕掛けなども施す。

 ライトアップは毎日18時~22時まで、10分ごとに行う。1回のショーの長さは5分間。来年5月21日まで。

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