福岡で生まれた揚げサンド「Age.3」が6月25日、旺角東のMOKO 新世紀廣場(Shop M41, MTR Floor, MOKO, 193 Prince Edward. Road West, Mongkok)にオープンした。香港が海外初進出となる。
福岡県嘉麻市で2020年、地域のフルーツを使うフルーツサンド専門店「フルーツサンド スリー」を出店したのが始まり。2023年、荒い目の食パンを乾燥させ、揚げることで、「外はサクッ、中はもっちり」とした揚げサンドを開発した。揚げパンに独自配合のホイップクリームを詰める。東京・銀座に昨年12月に初出店した後、博多にも専門店を出店し、月間1万5000個以上を売り上げる。
揚げサンドを手がけるANCHORの中嶋公治会長も来港し、「香港への出店を決めたのは数カ月前のこと。いろいろな国からのアプローチがある中で、香港人は日本の店にもよく来るし、香港はFCのメンバーも含めてチームが一体となって話が早かった」と振り返る。
同店の商品は日本でも、銀座出店後半年で400円から750円に値上げしたという。「良いものに正しい価値の値段を付け、働いている人の時給を上げ、行列ができれば、対応する人、外国人対応ができる人などの体制を固めていく。価値は原価だけではない」と日本の現状を語る。
香港進出に当たり、香港店のテーマカラーを「レインボー」としながらも、同店の揚げサンドの特徴である「低炭水化物ホイップクリームと季節のフルーツを挟むこと」を中心に据える。商品は29種類。「はやり廃りのある世界だからこそ、限定商品を用意して、常に新しいものを打ち出していく」と中嶋さんは話す。
スイーツ系とセイボリー系のアイテムを用意し、イチゴやバナナ、チョコなどを使う定番のスイーツ系揚げサンドのほか、「月見照り焼き」「たっぷりたまごサラダ」なども用意した。店頭販売の「揚げたて・詰めたて」は日本同様に徹底するという。
一番人気の「クレームブリュレ」や、ハート型のイチゴをあしらった「ジャムいちご/チョコいちご」(各48香港ドル)に加え、抹茶や栗の甘露煮など和の素材を使ったものなど、海外やトレンドを意識したスイーツにも取り組む。
香港店出店を機に登場した「香港マンゴー杏仁豆腐」は期間限定商品で、今回新たに開発した杏仁風味のホイップクリームに、マンゴーの果実、クコの実を添え、マンゴーソースで仕上げた。今後、銀座などでも展開する予定だという。
揚げサンドの開発を担当するのは福岡県生まれの松下幸平さん。ホテルオークラ東京・京都・福岡での勤務経験があるという。現在は、料理長としてクリームなど素材の開発や、新商品の創作など、和食で培った技術を生かして腕を振るう。
中嶋さんは「まずはこの店を大事にすること。複数店舗の出店計画はあるが、3世代で楽しんでもらいたい『Age.3』ブランドを香港でも慎重に育てていきたい」と話す。
営業時間は11時30分~20時。