手打ちの生パスタとビーフタルタルで話題を集めたスイス・イタリア料理を提供する「Nocino」(93WYS Building, G/F 93 Wai Yip Street, Kwun Tong TEL 9172 2094)が11月1日、觀塘の偉業街に新店舗をオープンした。
穴の空いたストローのようなスパゲティを使う「Brown Crab Cacio E Pepe Bucatini」
香港島の大坑でこぢんまりとした店を出店した後、「BaseHall」でのフードコートも展開。出店から1年足らずだが、大坑店は予約がなかなか取れないことでも知られている。
店内は、温かみのある洞窟にインスパイアされたデザインで、木製のアクセント、アンティーク、大きな窓を配した。ファサードには、地元香港のアーティスト「Cath Love」と彼女のアートスタジオ「Club Third」による鮮やかな壁画を描く。
同店では自分たちのスタイルを「グロットスタイル」と呼ぶが、イタリア語の「grotto」とは「小さな洞窟」「岩壁」という意味で、内装なども「洞窟の美学に親しみのある温かさと居心地の良さを融合させた」という。スイスの一部地域では「グロット」という言葉が広く使われ、ワインやチーズなどを貯蔵しておくために岩の穴蔵や石蔵も意味する。「そんな雰囲気を香港でも展開したい」とコンセプトに据えた。
最大30人まで収容可能で、現在発展途上にありビジネスの街も広がってきた觀塘エリアに出店を決めた。同店を創業したマシュー・ジームスキー(Matthew Ziemski)さんは、スイス・イタリアの伝統を前面に出し続けている。
パルメザンチーズの泡をトッピングした牛ほほ肉とイギリスなどでは伝統的なクルミのピクルスを使う平たい麺の手打ちパスタメニュー「Ox Cheek & Pickled Walnut Ragu Pappardelle」(178香港ドル)は大坑でも人気がある。「Brown Crab Cacio E Pepe Bucatini」(188香港ドル)は、穴の空いたストローのようなスパゲティ「ブカティーニ(Bucatini)」を使ったブラウンクラブのメニュー。スパイシーな「Nduja Reginette)」や、イタリアピエモンテ州の郷土料理である仔牛肉のツナソースがけ「Veal Tongue Tonnato」(同188香港ドル)、グリュイエールチーズのフライ「Malakoff」(68香港ドル)などの同店の定番メニューも用意した。
香港島の店と違い、広々とした空間であるため、スイスワインに加え、たる生ビールも導入。平日は夕方帯に「サンダウナー」として、カクテルプログラムも用意する。グレープフルーツ風味の「Ticino Spritz」、ネグローニ「Grotto Negroni」(各98香港ドル)、南スイスのティチーノ地方から、スパークリングの白ワイン「Brivio Vini Brut, Merlot & Pinot Blanc」(658香港ドル)なども用意した。
営業時間は11時~21時。土曜・日曜定休。