香港政府は1月26日、香港島のビクトリアハーバー沿いのプロムナード延伸工事について、北角の自動車専用度道路「東區走廊」の下で、東岸公園主題區と北角海濱花園を結ぶ「イーストコースト・ボードウオーク(東岸板道(西段))」を完成させ、一般開放した。これにより、香港島北岸のケネディタウン(堅尼地城)からノースポイント(北角)までのプロムナードがつながり、その距離は11キロになった。
東岸板道プロジェクトは政府によるハーバーフロント強化プロジェクトの一部であり、アイランドノースのハーバーフロントをつなぐ重要な部分であるとされる。「東岸板道が新たなランドマークとなり、一般市民や観光客にビクトリアハーバーをさらに楽しんでほしい」と政府は期待を込める。これらのプロジェクトは、ハーバーフロント強化のために65億香港ドルを投資した13のプロジェクトの一部でもある。
海濱事務委員會(HC)の何文堯主席は「東岸板道の建設は単純なプロセスではなく、政府、海濱事務委員會(HC)、市民が10年以上にわたって協議を重ね、コミュニティーの各セクターから出された意見のバランスを取りながら成功させたもの」と振り返った。「香港島北岸のハーバーフロントをつなぐパズルの最後のピースとして大きな意義を持ち、将来的にもハーバーフロント開発の可能性を広げるものである」とも。
上部を車が走るエリアであることから、遊歩道には高さ制限、狭い水路、アクセスの困難さなどハードルがあったが、建設に当たって一部にプレハブのボードウオークデッキを採用するなど、「工期とコストを削減するとともに、建設の安全性を効果的に高めた」という。
全長約2.2キロの歩道は、東部セクションと西部セクションに分かれる。高架道路「東區走廊」の地下空間を利用した西側セクションの長さは約1.1キロで、そのうち約700メートルは東岸公園主題區と北角海濱花園とをつなぐ役割を果たし、残りの400メートルは北角海濱花園を強化した内容となる。東側区間は北角海濱花園から●魚涌海裕街までを結ぶもので、今年後半に完成する予定だという。全面開通すれば、ケネディタウン(堅尼地城)からシャウケイワン(●箕灣)まで、約13キロメートルのハーバーフロントが完成する。
東岸板道は「共有スペース」を意識し、一般の人々がウオーキングやジョギング、サイクリングなどさまざまなアクティビティーを楽しめる共有路を設け、歩行者専用の歩道に併設した。犬を連れて歩くこともできる。
新しい試みとして、道が2つに分かれて上方に跳ね上がる橋可動式バスキュール橋と道が垂直から平行に動いて船を通す可動式スイング橋を導入。これらの橋は、この沿岸海域に船舶がアクセスできるようにするもので、人の通行を維持しながら、運航上のニーズに対応するようにした。
遊歩道沿いには夕日を眺めるためのシート、プレーエリア、フィットネス器具なども設置した。随所に設置したテーブルには、置くだけでスマホを充電できる仕組みがあるほか、フィットネス器具にもUSB充電の差し込み口を備える。器具はビクトリアハーバーを見ながら使えるように方向にも工夫も凝らしたほか、子どもたちが駆け回って遊ぶことができるようにソフトな床材を使ったエリアなども用意した。自動車専用道路の下部の橋げたには、イラストなどの模様を映し出す。
同エリアはもともと釣りをする人なども多かったことから、変わらず釣りも楽しめるようにと階段状の座席も設置。さらに北角海濱花園はオープンエリアに加え、レジャー施設も充実させた。これは、ここに「名園」と呼ばれる遊園地がかつて存在し、ブランコやメリーゴーラウンド、動物園などがあったり、ドラゴンボートレースなども開催されていたりした名残があるため。
同エリアへのアクセスは北角駅A1出口から約3分の經糖水道、または炮台山駅A出口から東岸公園主題區、その中間地点の可動式橋がある和富中心(Provident Centre )からもプロムナードに入ることができる。今回オープンした西側セクションは、可動式のスイングブリッジ(6時~23時)を除き24時間開放する。
●=魚へんに則、●=竹かんむりに肖。