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香港・黄埔に「新光黄埔影藝城」 広東オペラ劇場の名を継承

香港のエンターテインメント映画館「新光黄埔影藝城」が開業した

香港のエンターテインメント映画館「新光黄埔影藝城」が開業した

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 ライブネーションが新しい音楽施設を開くと発表した「黄埔天地(The Whampoa)」内の「螢幕圈(Screen World)」に8月16日、香港のエンターテインメント映画館「新光黄埔影藝城(Sunbeam Whampoa)」(2/F, Screen World (Site 8), The Whampoa, 7 Tak On Street, Hunghom, Kowloon)が開業した。4月に惜しまれつつ閉館した北角の広東オペラ劇場「新光戲院(Sunbeam Theatre)」の名を受け継ぎ、新たな文化拠点としてスタートを切る。

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 新施設は映画、ライブ、広東オペラ、展示、テクノロジーを融合させ、「世代を超えて楽しめるエンターテインメントランドマーク」を目指すという。

 総面積4万平方フィート以上の館内には映画館4館を整備し、1200人を収容できる。既存の映画館を改修し、新たに4Kドルビーシネマを導入し、6種類の上映形式に対応する。最新作から名作まで幅広い作品を上映するほか、80年代に223日間連続上映された記録を持つ「時光倒流七十年(ある日どこかで)」の再上映や、パジャマ着用で鑑賞できる上映企画、広東オペラやアニメ上映なども予定する。

 館内には、かつて新光戲院に設置されていたレトロ体重計を復活させたほか、AI技術を活用したプリクラ、著名人による書画や写真作品の無料展示スペースも開設。9月には香港初となる「映画館ライブ」の開催も控えている。

 4月の新光戲院閉館は大きな衝撃を与え、「新光」の行方が議論を呼んでいた。1972年の開業以来、北角のシンボル的存在として親しまれてきた同館は、院内の大ホールをほぼ広東オペラ専用劇場として使い、2つのフロアでは映画などを上映。契約満了に伴い歴史に幕を下ろした際には、広東オペラの将来を懸念する声が相次いだ。現在、広東オペラの中心が西九文化区(WKCD)にある「戯曲中心(Ziqu Centre)」に移った。

 同施設が位置する場所は、もともとゴールデンハーベスト(橙天嘉禾)が経営していた映画館「嘉禾黄埔」跡地。ゴールデンハーベストは数多くの香港スターを輩出したエンターテインメント企業で、1980年代の香港映画黄金期をけん引した背景もあり、住民にとっては映画文化の記憶が息づく場所。今年4月に嘉禾黄埔が閉館して以来、住民からは閉業を惜しむ声が上がっていた。

 今回の開業について、オーナーで風水師の李居明(Edward Li)さんは、デベロッパー大手・和記地産集團(Hutchison Property Group)の誘いを受けて視察した際、「この地の豊かさは天からの贈り物のようで、発展の可能性を強く感じた」と述べ、開業を決断したという。

 李さんは「映画鑑賞だけでなく、音楽や広東オペラ、芸術や体験を愛する人々が楽しめる活気ある施設を目指す」と語り、「多様な娯楽を提供し、衰退している映画業界に新しい風を吹き込みたい」と意気込む。

 営業時間は11時30分~22時(土曜・日曜・祝日は9時30分~)。

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