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在香港日本国総領事館、日本貿易振興機構(JETRO)香港事務所、香港日本人商工会議所が3月23日、共同で実施した「第16回 香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」の結果を公表した。
同調査は、事業費の高騰、人材不足、景気減速に伴う貿易・物流の低下、さらには香港を迂回(うかい)した貿易の定着など、在香港日系企業を取り巻く環境を把握し、必要な対策を検討することを目的として実施した。調査期間は2月2日~15日で、インターネットによるアンケート形式で231社から回答を得た。
調査結果によると、2025年通期の業績DI値(「大幅に改善」「改善」と回答した企業の割合から「悪化」「大幅悪化」を差し引いた値)は、2022年以降続いていたマイナスから回復し、5.0とプラスに転じた。2026年通期見通しでは12.7まで改善する予測となっている。金融・リース業が改善をけん引し、商社・貿易・卸売業も回復傾向を示した。ただし、回答企業の過半数(50.9%)は「横ばい」としており、慎重な姿勢もうかがえる。
人材不足による業務への影響は4.8%と過去最低水準にとどまった。離職は依然として半数の企業で発生しているものの、代替人材の確保が困難とする企業は27.4%まで減少した。課題の主因は「採用条件を満たす応募がない」(84.4%)であり、域外からの人材採用を進める動きも見られる。
物流分野では、輸送費用・倉庫費用・人件費の悪化を指摘する企業が4割を超えた。輸出入量は共に半数以上が減少し、その要因として「中国市場の停滞」「サプライチェーン再編」が65.5%で最多となった。香港域内の高コスト構造や労働力不足も影響している。
香港拠点の今後については、「現状維持」が62.3%と多数を占めた。拡大は7.8%と微増し、縮小・撤退は10.3%と減少した。日本本社からの役員来訪が増え、期待値が好転したとする企業も36.4%に上った。香港は依然としてアジアの重要拠点として位置づけられている。
粤港澳大湾区(GBA)や北部都会区開発については、約半数の企業が市場拡大やイノベーション面で期待を寄せている。一方、香港の相対的優位性の低下や規制面での課題を指摘する声もあり、期待と懸念が交錯する結果となった。