香港・中環に誕生したクリエーティブ産業発信の新施設「PMQ(元創坊)」に7月18日、日本人が経営するカフェ「Café Life」(S106・No.35 Aberdeen Street, Central, Hong Kong)がグランドオープンした。
グランドフロアから7階までの計8フロアを小さな部屋で構成する同施設。外の通りからも見える高立地に部屋を抑えた同店は、敷地面積約400スクエアフィート。オーナーの遠藤隆史さんは、スタッフと来店客、客同士がコミュニケーションを取りやすいように長いカウンター越しにコーヒー片手に人が溜まれるような造りにした。カウンターの一番奥に焙煎機を備える同店は、コーヒーの豆を選び、ローストしたての豆で淹れたコーヒーを飲むことができるのが特徴。1回のロースト100グラムでで5杯分とることができる日本製の自動珈琲焙煎機を導入し、生豆は世界各地から取り寄せ、最大30種類にまで増やす計画だ。
現在は「コロンビア」、「ウガンダ」、「グアテマラ」などを1杯60香港ドルで提供する。アイスコーヒーだけでも7種類を用意。1杯ずつドリップしたものをボトルに入れて冷やす。氷などを入れて冷やさないため、「コーヒーの風味と味わいを損なわずアイスで楽しめる」のが特徴だ。「本日のスペシャルブレンド」は30香港ドル、その他ホット同様各国の名前がついたコーヒーは40香港ドルで提供する。
またオープン直後から同店の認知度アップに大きく貢献したのが「パンダクッキー」。開店までの工事中の期間を有効活用しようと思いついたクッキーは、パンダの保護を訴える目的で同施設のオープニングの目玉としても展示された1600頭のパンダにちなみ製造したところ、予約が入るほどの注目を集め、既に1万個のパンダクッキーが売れたという。パンダクッキー製造を担当するのは日本人パテシェ松岡哲也さん。
「香港を代表するコーヒーカルチャーを作りたい」と話す遠藤さん。近隣のカフェを「競合」と呼ばず、カフェで働く人たちがコーヒーについて語り合い、勉強し、それを自分の店に持ち帰って共有し合えるようにと、同業界のメンバーには特別価格でコーヒーを提供するパスを用意するなど、コーヒー文化の底上げに力を入れる。
直営・フランチャイズを含め2年以内に香港に5店舗、バンコク・フィリピンなどアジア各国に5店舗程度を展開予定。また「人が集まる場所の提供」という同店と同じコンセプトのもと、遠藤さんは8月末にも同施設内で「縁日」と題したイベントを開催予定で、今後も定期的に取り組む予定だ。
営業時間は11時~20時(週末は~22時)。