「ハムユイ」の名前で親しまれる鹹魚(塩漬け魚)作りの歴史をさかのぼる企画展「城西魚香」が現在、鹹魚作りの発祥の地と言われる西営盤(Block 36A, Western Street, Sai Ying Pun)で行われている。
今は干物通りとして知られている上環や西営盤エリア。西営盤は、かつて鹹魚作りが盛んに行われていた場所だった。今から約100年前、塩漬け魚の街「鹹魚欄」、現在の上環、西営盤に辺りの一帯は鹹魚店が軒を連ね、路面電車で行けばいくほど塩漬け魚の匂いが強くなったという。
鹹魚は独特の発酵臭と塩味の強さが特徴で、魚をそのまま蒸してから処理したり、さばいてから、切り刻みニンニク油で炒めて蒸し上げたりして「鹹魚醤」にするなど、さまざまな作り方がある。チャーハンや、豚ひき肉を固め蒸したものに鹹魚を載せる鹹魚蒸肉餅など、中国の家庭料理としても親しまれている。
同展では、西営盤で盛んに営まれていた漁業をはじめ、鹹魚業の発展や競り、鹹魚の作り方など、さまざまな鹹魚の歴史を紹介する。
会場は小規模だが、当時に競りにかける時に使われていた底板付きそろばんや鹹魚協同組合の看板などが展示され、独特の香りと共に、鹹魚街の雰囲気が垣間見える。
開催時間は10時~13時、14時~18時。日曜・月曜・祝日は休み。6月22日まで。