ファッションブランド、プラダのチーフデザイナー、ミウッチャ・プラダさんの過去30年にわたるデザインや商品などを展示する「プラダスフィア展」が現在、中環のフェリーターミナル第4埠頭(ふとう)で開催されている。
創業者で祖父のマリオ・プラダとは違うスタイルの作品が展示される
同展示会は5月にイギリス・ロンドンの最高級デパート、ハロッズで行われたもので、世界で2番目の開催都市として香港で開かれている。セレモニーには中国の大女優コン・リーさん、香港のモデルのミシェル・リーさんなど有名人が多数参加し、展示会に華を添えた。
会場内を「オリジンズ(Origins)」「エボリューション(Evolution)」「コンストラクション(Construction)」「オブザベーション(Observation)」など6つのゾーンに分けて展示している。過去30年を区切りとする理由は、バッグのブランドであったプラダが靴や衣料分野に進出したのが約30年前の1980年代半ばだったこと。そのため、ミウッチャ・プラダさんがブランドとしてのラインを拡張した最初のデザインから見ることができる。
ミウッチャ・プラダさんのデザインを大きなルックブックのような形でまとめたスペースや、ミウッチャ・プラダさんが事業を引き継いだ1970年代に知り合った、後の夫であり現在のプラダの総帥であるパトリッツィオ・ベルテッリさんとのさまざまな取り組みなどを、大小さまざまなテレビ画面を使って紹介するコーナーも。そのほか、映画監督のリドリー・スコットさんなどとの共同制作による映像コレクションなども、専用のミニシアターで鑑賞することができる。
マネキンに着せられているドレス、スカート、ジャケット、コートなどについて一つ一つ詳しい説明があるほか、靴はインソールなどの内部素材やヒールの型のようなものも展示。手袋、帽子、アクセサリー類、プラダのアイデンティティーでもあるバッグも展示している。異なる素材を巧みに利用して製作しているのが分かるほか、クラッチバッグに使うがま口のみを単独で展示しているセクションもある。ほかにも普段はあまり公開されていない作品もディスプレーされるなど、プラダファンにはうれしい内容。ファッションに興味がなくても芸術、またはデザインの鑑賞として十分楽しめる内容になっている。
会場内のプラダのスタッフによると「並べられているディスプレーはプラダがミラノに第1店を開店させたものと同じレプリカ」と説明する。じゅうたんは「開店当時は白と黒のダイヤモンドの形を組み合わせたデザインだったが、今回は緑と黒にアレンジしている」という。
開催時間は12時~19時(日曜は18時まで)。入場無料。11月5日まで。