香港で最大規模の来場者を誇り、一般書籍から雑誌、電子書籍まで多岐にわたる出版物を紹介するブースが並ぶ「香港ブックフェア」が7月19日、湾仔にある香港コンベンション&エキシビションセンターで開幕した。開催は28回目で、世界35カ国・地域から670以上の企業・団体が出展し、102万人近くが来場した昨年と同規模の盛り上がりが予想されている。
今回のテーマは「旅行」。世界の旅行作家によるトークショーやステージイベントなど300を超える催しを予定する。日本からは過去最多となる21の企業、自治体、団体がジャパンパビリオンに出展し、同イベントでは日本が最大規模の展開となる。
2回目の出展となる日本政府観光局(JNTO)は、ジャパンパビリオン内に日本でのリラックスや癒やしの旅をテーマにした大型の「ゆるたび体験館」を出展。初日の7月19日にはキックオフイベントを行い、香港エクスプレスや人気旅行サイト「KLOOK」が訪日トレンド情報を紹介したほか、秋田の伝統行事「なまはげ」が登場するなどのコーナーもあり、にぎわいを見せた。
JNTOは19日付けの発表で、上半期の訪日客数が前年同期比24.8%、108万3400人と初の上半期100万人超えを記録したことを発表している。JNTO香港事務所の薬丸裕所長は「最新訪日データ三大No.1」を発表し、「香港人の2016年訪日データによると、『人口あたりの訪日旅行者数1位』『訪日リピート回数1位』『宿泊1晩あたりの消費力1位』という三大世界一がある」と述べ、日本の魅力をPRした。同所の調査によると、これ以外に「レンタカー使用率」でも香港人が1位で、全体平均6.3%のところ香港人旅行客は17.3%と、他を大きく上回っている。
「ゆるたび体験館」では目玉の一つとして、日本各地の映像をVRで見られる体験ゾーンも用意。自治体関連では、鳥取県、徳島県、香川県、福岡県、長崎県が初出展となった。鳥取県は「まんが王国とっとり」ブースを設け、香港人にも人気の高い「ゲゲゲの鬼太郎」や「名探偵コナン」に関するイベントも用意し、さらなる観光客獲得を目指す。7月21日・22日には、民族芸能である「麒麟獅子舞」のパフォーマンスショーも予定する。
3回目の出展となるKADOKAWAは、アニメや漫画の舞台となった日本の88カ所を「アニメ聖地」として認定し訪日観光客送客を促進する「アニメツーリズム」のPRなどを行うほか、映画「ひるね姫」のロケ地ともなった岡山県倉敷市のVR体験などのワークショップも開く。
開催時間は10時~22時(21日・22日は10時~24時、25日は9時~17時)。入場料は、大人=25香港ドル、子ども=10香港ドル。今月25日まで。