動物園・遊園地・ショーを備えた香港の海洋生物のテーマパーク「オーシャンパーク」(Ocean Park, Aberdeen, Hong Kong Tel: 3923 2323)で現在、恒例の「Summer Splash 2017」が開催されている。今年は開業40周年を迎え、嗜好を凝らしたアトラクションを用意する。
同園は1977年に開園。当初は香港ジョッキークラブ(HKJC)が建設、運営しており、入場料は15香港ドルだった。HKJCの潤沢な資金のおかげで順調に拡大していったが、時間の経過とともに新アトラクション導入のペースが落ちるなどして資金繰りが悪化。アジア金融危機の影響で赤字に陥った。2002年ごろには、「2005年に香港ディズニーランドが開園したら倒産するのは時間の問題」と言われるほどの深刻な経営危機に陥った。
それを救ったのは、皮肉にも重症急性呼吸器症候群(SARS)だ。SARSで香港経済が落ち込み中国政府は中国人観光客のビザを緩和した結果、中国人観光客が大挙して訪れた。翌2004年には蘭桂坊(Lai Kwai Fong)の創業者、アラン・ジーマン氏がトップに就任し、しっかりとした企業組織に生まれ変わった。香港にパンダを呼んだのもジーマン氏の功績だ。これにより倒産危機から一転、香港ディズニーの年間入場者数を上回るほどまでに回復した。
今年のサマースプラッシュの見どころはアメリカの芸術家、Ray Villafaneさんの砂でできた彫刻とラバーダックの2つ。砂の彫刻は154平方メートルのスペースに高さ最大6メートルの固めた砂にパンダ、ワニ、トド、イルカ、タコ、ホタテ、サンゴなどオーシャンパークならではの動物の彫刻を展示する。期間中、砂の彫刻のDIY教室も開く。「Duckie Family Pond」では6500体ものラバーダックが人口池に浮いているほか、ラバーダックがボートの上に乗っている水上ラジコン、大型のラバーダックの像の前では記念撮影もできる。
夏らしいアトラクションでは、高さ数メートルの所に設置されたバケツが倒れて水が滝のように水がどんどん流れてくる「Mega Gash」、水のトンネルの「Super Spray Tunnel」、天井につり下げられた装置から泡が降ってくる「Wild Foam Zone」、水鉄砲で遊び「Super Splash Battle」などがある。
園内の海龍王餐庁(Neptune’s Restaurant)では1人520香港ドルで「Summer Seafood Delight Semi-Buffet Dinner」が楽しめる。これは、通常のビュッフェスタイルだが、メイン料理をラムチョップやシーバスの照焼など5種類から1つ選ぶもの。サラダはパルマハム・サラダなど3種類、スープはロブスタービスケなど2種類、シーフードエリアではカニ肉ときのこのグリル、シュリンプカクテル、スモークサーモンなど10種類、デザートはストロベリームースケーキなど12種類から選べる。
園内にある売店ではキャラメルポップコーン(42香港ドル)を買うと、小さなラバーダックの人形が付いてくる。土産店ではラバーダックのTシャツ(190香港ドル)、靴下(60香港ドル)、帽子(150香港ドル)などを販売。
営業時間は10時~20時。(金曜・土曜・日曜は21時まで)。入場料は438香港ドル(17時以降の入場は288香港ドル)。8月27日まで。