フランスの文化事業団体・法国文化推広弁公室(Association Culturelle France Hong Kong)は11月23日から、香港で16のランドマークをライトアップする「光 ・影 ・ 香港夜(Lumieres Hong Kong)」を開催する。普段、見慣れている観光スポットやビルなどを幻想的に照らして新しい世界を作り出す取り組みに向けて2日、ペニンシュラ香港で記者会見が行われた。
毎年5月に開催されているフランス月間「フレンチ・メイ」なども運営している同団体。今回は香港の中国返還20周年を記念して行うもので、フランス、リヨンで開催されているライトアップ・イベント「Fête des Lumières(光の祭典)」とパートナーシップを結ぶことで実現した。リヨンの光の祭典は1852年から毎年開催されてきた伝統行事で、当初は宗教的な意味が強かったが2002年からは国際的な祭りとして開催されるようになった。今では300を超える建物がライトアップされている。
香港で初めての開催となるこのイベントでライトアップされるのは、文武廟(Man Mo Temple)、元創方(PMQ)、蘭桂坊(Lan Kwai Fong)、都?利街(Duddell Street)、前法国外方傳道大楼(Former French Mission Building)、遮打花園(Chater Garden)、皇后像広場(Statue Square Gardens)、文華東方酒店(Mandarin Oriental)、干諾道中行人隧道(The Connaught Road Central Pedestrian Subway)、愛丁堡広場(Edinburgh Place)、大会堂(City Hall)、郵政総局(The General Post Office)、鐘楼(Clock Tower)、半島酒店(The Peninsula)、1881 Heritage、D2 Place Twoの計16カ所だ。
それぞれの会場は香港を中心に世界各国の芸術家や団体と協力してテーマを設定し、それに合ったライトアップを展開する。例えば、鐘楼では龍が巻きながら昇っていく様子を描いたり、干諾道中行人隧道では1950年代の香港の12の通りの様子を映し出したりする。
ライトアップは夜限定となるが、遮打花園には光・影村(Lumieres HK Village)と呼ぶメイン会場を設け、午前からさまざまなイベントを行う予定だ。アカペラやダンスのパフォーマンス、フェースペインティング、中国の太鼓の演奏なども行われる。加えて、蘭桂坊では開催期間中の20日と21日にマーチングバンドのよる演奏が行われる。
同団体では、フレンチ・メイで培ったコネクションを利用して、ライトアップ期間中だけではなく、その前後に香港内にあるアートギャラリーなどと提携し、返還20周年を盛り上げる。教育を目的としたアクティビティもあり、例えば11月5日・12日・19日の日曜18時からはネオンライトアップワークショップ(Neon Light Up Workshop)を開催する。これは、中環(Central)の中銀大廈(Bank of China Building)などのネオンを担当した胡智楷さんによる無料のワークショップだ。
詳細は発表されていないが、香港内のレストランやバーともコラボレーションし「美食体験」と題した期間限定の料理なども提供する予定。
点灯時間は19時~23時。