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高知県、土佐酒をメーンに香港市民にアピール 2日間にわたりイベント

観光の説明にも食を絡めて発信することが重要な香港市場

観光の説明にも食を絡めて発信することが重要な香港市場

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 香港からの観光客数も順調に推移する高知県は12月3日・4日の2日間、関係者や香港の一般人を対象に酒を中心としたプロモーション活動を実施した。酒蔵18社から成る高知県酒造組合と高知県は両日、香港人に高知の日本酒を知ってもらおうと観塘(Kwun Tong)と中環(Central)でイベントを行った。高知県と土佐酒が単独で香港市民に向けイベントを行うのは今回が初で、「日本秋祭 in 香港」の一環として実施した。並行して、現在地上波ViuTVで毎週日曜に放送中の「Go! Japan TV 日本大放送」で4週にわたり、「四国限定!自由自在 高知新体験」も放送中。

土佐酒試飲の様子

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 高知県は有名な四万十川や吉野川が流れるほか、物部川、仁淀川などがあり、降水量も多く豊富な水資源に恵まれている。高知の北側は四国山地の影響で1日の寒暖差が激しいことを生かし稲作も盛ん。そうした中、安定的にコメの供給量を確保するため、「吟の夢」「土佐錦」など日本酒に適したコメを開発しているなど、酒の消費量、消費額も非常に高い。

 3日、観塘で開かれたイベントは「美酒巡礼旅遊情報会」と題して日本酒を通じて高知の観光を紹介するアプローチで実施。80人ほどの一般香港人を対象に説明をする中、「カツオのたたき」「鍋焼きラーメン」など高知らしい食の紹介が参加者の反応をつかんだ。事前募集で集まった参加者は具体的に高知への旅行を考えている人、日本酒が好きな人、高知に既に行ったことがあるファンなどで構成されていたようだ。

 翌4日は蘭桂坊(Lan Kwai Fong)にある「地酒処 吟」で、昼は香港の利き酒師を集め土佐酒の解説を行い、夜は「土佐ナイト」として、土佐鶴酒造、高木酒造、土佐酒造、司牡丹酒造、無手無冠の5社がブースを構え日本酒を試飲してもらう機会を提供した。土佐の日本酒の特徴は淡麗辛口。料理を味わいながら飲む食中酒の性格があり、「カツオのたたき」「酒盗」などと組み合わせながら楽しめるように工夫した。

 司牡丹の社長で高知県酒造組合の組合長を務める竹村昭彦さんは「『仲間』という言葉があるが、高知では一般的な『仲間』のほかに『仲間としてシェアをする』という意味がある」とあいさつし、「18社の酒蔵が酒造りに関してのデータを共有しているのも特徴」と、より良い日本酒造りに向け全体で協力し合っていることを強調した。

 土佐鶴酒造では、フランス人が瓶のデザインを手掛けた「Azure(アジュール)」、高知北部にある桂月が製造する「匠」はスパークリングの日本酒だが、松本宗己社長の台湾人の友人の一言から商品化が始まるなど「日本酒の国際化」も進んでいる。高知はユズも有名だが、それを使ったリキュールの生産にも力を入れるメーカーも多い。各酒造の担当者は一様に「香港人の人は『大吟醸』とかの言葉を知っていて、日本酒への理解が高いと感じた」と話す。

 4日以降、中環のハンバーガー店で高知に本店がある「5019」、人気のすし、和食店「寿司喰」、尖沙咀の「田舎料理 吉」などでも振る舞い酒として17蔵の土佐酒を試飲することができる。無くなり次第終了。

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