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香港映画「トワイライト・ウォリアーズ」、日本での興行収入が1億円突破

日本での興行収入が1億円突破した「トワイライト・ウォリアーズ」

日本での興行収入が1億円突破した「トワイライト・ウォリアーズ」

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 2024年の香港のヒット映画「九龍城寨之圍城(Twilight of the Warriors/トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)」の日本での興行収入が2月5日、1億円を突破した。過去5年間、日本で上映された香港映画の中で1位の興行収入となった。

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 2024年5月に公開された同作は1980年代の九龍城砦を舞台にした映画で、主演はルイス・クー(古天楽)さん、香港映画界の重鎮サモ・ハン(洪金寶)さんなどが出演している。

 同作は2024年に公開された中で「破・地獄(The Last Dance)」に続く年間2位の興行収入で、香港映画の歴代興行収入でも3位に入るヒット映画となった。

 アクションシーンは日本人の谷垣健治アクション監督が担当した。1990年代前半に香港に渡った谷垣さんは、多くの香港映画のアクションシーンに携わっている。谷垣さんは、2024年10月に開催されたセミナー「Hong Kong Film @ Tokyo」に登壇した際、「アクション監督はカメラを自ら持ち、編集もするなど、多くのことをできるのが香港映画の特徴」と語っていた。同作でも谷垣さんのアイデアがふんだんに詰まっているという。

 日本には「鉄板」とも言える香港映画ファンが少なくない。李小龍(ブルース・リー)、成龍(ジャッキー・チェン)さんが有名だが、それ以外にも優秀な俳優や監督がいることで香港映画は多くのファンを獲得してきた。同作を2回、3回と観賞するコアな香港映画ファンも少なくないという。

 九龍城塞は32年前の1993年に取り壊しが始まった。実物を見たことがあるに日本人は、相応の年齢を重ねており、見たことがない日本人がほとんど。香港市民ですら見たことがない人が増えている。しかし、九龍城塞に関わる書籍やネット上に上がっている情報は多く、「魔窟のような雰囲気は、怖いけれど危険なところをのぞいてみたい」という声も多い。同昨は総製作費の6分1に当たる5,000万香港ドルを投入し、リアルさを突き詰めたセットを製作した上で、当時の生活ぶりを緻密に描いたことで、「観客の気持ちをつかんだ」とされる。

 映画製作社も、緻密に作られたセットを宣伝材料としても利用した。2024年10月から2カ月近く、セットの一部を香港国際空港の到着ロビーで展示し、観光客にアピールした。現在は会場を啓徳(Kai Tak)にあるショッピングモールAIRSIDEに移し、第2弾を行っている。こちらも、「魔窟感が味わえることから好評」だという。

 香港映画の歴代興行収入トップ3は、同作を含め2023年と2024年に塗り替えられたため、好調なように見えるが、それ以外の作品が不振で、2024年に映画館7館が閉鎖に追い込まれた。谷垣アクション監督と一緒にシンポジウムに参加していたサモ・ハンさんも日本のファンに「映画館に行ってください。それが我々の助けになります」と呼びかけていた。

 日本におけるヒットは、香港映画の収益に貢献する。香港は英語も公用語のため、言葉が壁になりにくいことから、映画で積極的に海外進出を果たしてきた歴史がある。日本での好成績は、香港映画人に海外ビジネスの重要性を改めて思い出させたことに価値があると評価されている。

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