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香港大学美術博物館でピカソの陶器展-100点以上展示、リトグラフや写真も

Pigeon
Hand painted and glazed ceramic plate. Signed Picasso, dated 1957 and stamped Madoura Plein Feu (on the underside). 
W: 37.4 cm, L: 31.4 cm. 
Nina Miller Collection.

Pigeon Hand painted and glazed ceramic plate. Signed Picasso, dated 1957 and stamped Madoura Plein Feu (on the underside). W: 37.4 cm, L: 31.4 cm. Nina Miller Collection.

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 香港大学構内に併設されている香港大学美術博物館(1/F, T.T. Tsui Building, University Museum and Art Gallery, the University of Hong Kong)では現在、かつてない規模感で一般公開となる巨匠パブロ・ピカソの陶器展「ピカソ・セラミックス(Picasso Ceramics)」を開催している。

Picasso works on a bullfight plate at Madoua potter. Vallauris 23.3.53. Photo Edward Quinn, ©edwardquinn.com

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 同館は1932年に図書館として建てられた建物だが、61年に図書館が移転したため博物館として残され、94年に現在の名前に改称されている。美術博物館として96年から一般公開され、さまざまな企画展を開催。石器時代のものから、唐や宋の時代の陶器、清の時代の書など歴史的に貴重な作品を所蔵する。

 今回の企画展では、第二次世界大戦からピカソの晩年1973年までの作品の中で、ロンドンを拠点とする「ニーナ・ミラー」のコレクションを中心に100点以上を展示している。原作陶器を基にマドゥーラ工房の陶工が製作した「エディション ピカソ」や彼が個展や友人との展覧会のために制作したリトグラフによるアートポスター、ピカソ本人を収めた写真なども併せて展示。作品は鳥や動物、人の顔を描きこんだものが多く、絵の筆さばきにより陶器の世界であっても躍動感を感じさせるものが多い。

 ピカソの陶器との出会いは1946年、ピカソが65歳だった時、南フランスの陶器の町ヴァロリスにあると言われている。その後カンヌのマドゥーラ工房でジョルジュ・ラシェ夫妻から惜しみない援助を受け、陶器制作に没頭した。皿、陶板、水差し、壺など4000点以上を制作したとも言われてる。白土に化粧土を掛けたものが大半を占めるが、赤土やシルバーなどを使ったものも紹介する。

 ピカソの陶器で代表的なモチーフとなり、度々登場するフクロウ。同じ題材であっても、平皿にフクロウを描いたもの、フクロウの形をした立体的な作品、また素材を赤土、白土など使い分けたり、同じ絵柄であっても、釉薬(ゆうやく)を掛けて焼いたりなど、素材や方法を変えることで多様な作品に仕上げている。

 キュレーターの一人であり、同館のダイレクターであるフローリアン・ノーザ(Florian Knothe)博士は、「ピカソによる陶器の全作品は、彼の絵画や彫刻というだけでなく、かつてない幅広い視点と多様性のある描写、キュービズムのレパートリーである」とコメントを寄せる。

 開館時間は月曜日~土曜日=9時30分から18時。日曜=13時~18時。祝日休館。入場無料。11月2日まで。

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