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香港の高級すし店「Sushi Mori Tomoaki」-財界人などに人気集める

日本の高級すし店と同じような内装に仕上げた店内

日本の高級すし店と同じような内装に仕上げた店内

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 MTR炮台山駅から徒歩数分の場所に半年前に開業した看板のない高級すし店「Sushi Mori Tomoaki」(Shop D, G/F., Seabright Plaza, 9-23 Shell Street, Fortress Hill Hong Kong Tel: 2979 5877)が香港財界人の間で人気を集めている。

それぞれのネタに仕事を施したすし

 職人の森智昭さんは日本人の父親と香港人の母親を両親に持ち、香港で生まれ育った。日本語、広東語、北京語、英語を駆使し、オープンわずか半年で宣伝費を使わずに香港の香港の財界人、セレブ御用達の店として知られるようになった。日本の血を引く人間が現地に溶け込み活躍している。
高校は上海の学校を卒業し、進路を考えていた時に、40年以上香港で活躍してきた父親と一緒に行った香港の有名すし店「すし廣」で「職人の仕事ぶりがかっこいい」と思い、日本食業界に入ることを決意したという。

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 厳しくも温かい環境のなかで料理人としての腕を磨いたが、独立する機会があり「鮨森」という店を開いたが、パートナーの考えが一致せず失敗。森さんは「素材などに徹底的にこだわったおいしい料理を出したかったが、パートナーは質を落として売り上げや利益を伸ばすという考え方だった」と当時を振り返る。

 その後友人であり常連客でもあった新しいパートナーと店を開くことを決意。店舗を探していたところ、気持ちが乗った場所があり、パートナーと不動産屋に即電話。翌日には契約がまとまり次の段階に進んでいったという。

 店構えにも名前を入れず、広告も打っていない。「最初の店は宣伝もして、開店当初からたくさんの方に来ていただいたが、仕事に忙殺され高い質を維持するのが難しかった。だから今回はじっくりと腰をすえてやろうと思った」と森さん。「右腕の料理人も育てないといけない」とスピードを重視しない。

 「私は28歳とまだ若いので、日々勉強。いろんなことにチャレンジしていきたい」と話す。酢飯に赤酢を試したり、水も研究する。現在はディナーの酢飯には1リットル65香港ドルもする山形県の水を使っている。「熟成肉」にからヒントを得て「熟成魚」を創作してみるなどメニューの創作と開発に没頭することも。素材はすべて日本から輸入しており、「すしに対してだけはこだわる性格だが、プロの料理人としての責任感かな」と笑う。

 メニューはおまかせのほか、ランチもディナーも季節の魚を中心としたコース料理が基本。ランチは12貫400香港ドル、15貫500香港ドルなど。ご飯、みそ汁などがつく近江牛すき焼き御膳(280香港ドル)、1日5食限定の日本産うな重(400香港ドル)なども用意する。ディナーは「近江」が先付け、お造り、和食、すし8貫、御椀物、デザートで2300香港ドル、「黒壁」は1500香港ドルなど。秋の魚であるカワハギは新鮮さはもちろんのこと、肝を上に乗せてまろやかな味わいに仕上げる。酢飯は赤酢のため赤みを帯びているが、酢そのものは強すぎず、ネタとのバランスを重視する。

 同店ではサービスチャージは取らない。「日本では、あれだけ質の高いサービスを無料で提供しているのなら、私もそれに習って良い料理と良いサービスを提供していきたい」とこだわりを見せる。
営業時間はランチ=12時~14時30分(ラストオーダー)、ディナー=18時30~22時30分(同)。日曜定休。