香港国際空港を拠点とする唯一の格安航空会社(LCC)である香港エクスプレス航空は10月22日、長崎への運航を2019年1月19日から開始することを発表した。長崎にとって国際定期路線の開設は1988年のソウル線以来、31年ぶりの新規路線となる。
香港エクスプレスは主力機のA320の航続距離を活かし、日本にはこれまでに羽田、成田、中部、関空、高松、広島、福岡、熊本、鹿児島、石垣に就航し、長崎が11番目の空港となる。近年、香港人の年間訪日客数が毎年、記録を更新しているが、2017年においては223万1500人を記録。日本政府が掲げる観光立国となるための牽引役を担っている。
10回以上来日した香港人は20%以上もいる香港市場は、東京―大阪というゴールデンルートでは物足りない市民が地方路線の開設を心待ちにしている。新たな日本を発見する旅として人気となったほか、地域経済の活性化にも一役買っている。天然の良港がある長崎はクルーズ船の誘致に力をいれておりLCCの誘致はこれまであまり推進してこなかったが、LCCの利用客が増えているほか、香港人にとって根強い人気渡航先であることから就航を決めた。
長崎と言えば、原爆、出島、大浦店主堂など世界文化遺産に指定された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、高島炭鉱など観光地がたくさんがある。また、ジャーディン・マセソン商会の社員とした来日し、幕末から明治にかけて日本に大きな影響を与えたトーマス・ブレーク・グラバーの旧邸跡地を利用したグラバー園もあり香港とのゆかりも深い。少し足を延ばして佐世保に向かえばハウステンボスもある。
食でも「長崎ちゃんぽん」や文明堂などの「カステラ」など全国的に有名な特産品があるほか、ピラフ、ナポリタンスパゲティ、トンカツという和洋折衷のご当地料理「トルコライス」、日本三大珍味「からすみ」も知られている。
香港エクスプレスの李殿春プレジデントは「長崎‐香港線は需要の多い路線だと確信している。日本のお客様には、香港に出かけていただきたく、手頃な運賃と便利なスケジュールを提供する」と述べた。一方、就航先の中村法道長崎県知事は「2019日本香港観光交流年」の記念すべき年に、長崎~香港線が就航できることを大変うれしく思う。本県は、海外との交流の歴史も長く、二つの世界遺産を有し、また、豊かな農水産物にも恵まれて、島や半島など地理的にも特徴のある自然豊かな観光県。本直行便を利用してもらい、旅慣れた多くの香港の旅行客の方々が本県の観光魅力を楽しんでいただけることを心から祈念する」とコメントした。
フライトスケジュールは毎週火、木、土曜で、香港からは(UO830便)は13:05発で17:05着。長崎発(UO831便)は19:50で香港には22:05に到着で運航する。