香港のフルサービスキャリアである香港航空(Hong Kong Airlines)は2017年12月18日、ロサンゼルス便を就航すると発表した。現在フライトは月・水・金・日曜で16日からは毎日運航予定だ。北米はバンクーバーに続く2路線目で、キャセイパシフィック航空が赤字を出す中、着々と事業拡大を図っている。
現在の香港航空は1947年から1959年にあった香港航空(Hong Kong Airways)とは別の会社。2001年に中富航空(CR Airways)としてヘリコプターで観光遊覧する航空会社としてスタートした。2006年9月に海口市に本社を置く海航集団(HNA Group)が買収し、同年11月、香港航空に改名した。香港快運(Hong Kong Express)の親会社でもある海航集団の潤沢な資金を得て新機材の購入や路線の拡張を続けて現在に至っている。
具体的な就航都市は、北京、上海、成都、重慶といった中国本土、ホーチミン、プノンペン、バンコクといった東南アジア、ケアンズ、ブリスベン、オークランドのオセアニアなど40近くの都市だ。日本は、沖縄、大阪、札幌、岡山、米子、宮崎、鹿児島、東京(成田)に就航している。香港から日本への観光旅行客増加に同航空の路線数拡大も寄与している。
A330-300を9機、A320は11機、A350-900を3機など合計35機の飛行機を保有し、平均使用年数5年。特にA350はすでに21機をオーダーし、その1機目を2017年9月に受領した。
ロサンゼルス便に使う機材はA350-900。映画などのエンターテインメント・システムは最新の映画を含め100以上のコンテンツを用意するほか、Wi-Fiは最初の15分だけは無料にするなど乗客にサービスを提供する。ロサンゼルス線の食事には、地元香港のホームウエアの会社であるJIAがデザインした食器を使う。機内食であるため機能性が優先されるが、その中でもビジネスクラスの食器はシンプルでありながら皿の上部は波を打ったようなデザインにした。エコノミークラスのテーブルウエアは高密度の樹脂を使うことで表面を滑らかにし、耐久性がアップしているものだ。
香港航空の鄧竟成副主席は「ロサンゼルス便の開設は国際航空会社としてさらに進化するもの。観光、ビジネスとして 西海岸はアメリカ経済の最も重要な地域。ロサンゼルスに向かうとき乗客が、われわれを選んでくれるとうれしい」と期待を込める。
今後は、ロサンゼルスとならぶアメリカ西海岸の中心都市サンフランシスコのほか、東海岸のニューヨーク、ヨーロッパ発の直行便としてロンドンにも今年中に就航を望んでいるという。
フライトは、香港発(HX068)が正午に出発し現地には翌日の8時15分に到着、ロサンゼルス発(HX069)は10時45分に出発し、翌日の18時20分に到着する。